2014年06月17日

【報告】にっぽん子育て応援団結成5周年記念フォーラム

 にっぽん子育て応援団は5月24日、結成5周年記念フォーラムを東京・千代田区の大妻女子大学で開きました。
「あれから5年 いよいよキックオフ! 子ども・子育て支援新制度」をテーマに、これまでの5年を振り返るとともに、子ども・子育て支援新制度の施行に向けた準備状況などを各地の代表者から紹介してもらいました。

◎プロローグ
 「結成から5年 にっぽん子育て応援団のこれまで そしてこれから」


IMG_2178.JPG 堀田力団長、樋口恵子団長をコーディネーターに厚生労働省事務次官の村木厚子さん、団長の勝間和代さん、企画委員の岩田喜美枝さん、奥山千鶴子さん、椋野美智子さん、柳澤正人さん、山田正人さんが思い出や裏話を披露しました。

 結成時を振り返った樋口団長は、「消費税が引き上がりそうだというチャンスをよくつかまえてスタートできた」と懐かしみ、堀田団長は、子ども関係の予算は少なく、応援団もいないことから、子どものためにお金を取ってこようと共同謀議したと付け加えました。
 当時(5年前)、雇用均等・児童家庭局長であった村木さんも、「子どものための財源があるかもしれない」と千載一隅のチャンスをうかがっていたと振り返りました。その後、子ども・子育て支援新制度の設計を担当する内閣府の政策統括官に就任。「政権交代を2回もくぐりぬけてできた」新制度の論議の最中に東日本大震災に直面し、震災対策を先にするか、税・社会保障制度改革論議を続けるかが議論になったことを取り上げ、「東日本大震災は目に見え、音にも聞こえる危機。しかし、この国に忍び寄っている少子化はずっと前から、もっと大きなマグニチュードでこの国を襲っているのに、みんなで取り組みができていない」などの意見が出て、社会保障制度改革論議が再始動したことを紹介しました。
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 さらに、新制度については、来年4月から施行されるものの、「まだ消費税は10%になっていない」と危機感をアピール。「私たちの請求書は1兆円超だった。残り3000億円はこれから(確保することになります)。また、消費税財源が市町村でちゃんと子どものために使われるか、子ども・子育て会議に押しかけ、みんなでチェックしないといけない」と訴えました。

IMG_2180.JPG 続いて、勝間団長が発言。保育所入所や学童保育で苦労した経験から、「これからの人が子どもを持つときにお金の心配のない育児環境を整える一助になればとやっている」と話しました。

IMG_2183.JPG労働省で村木さんの先輩でもあった岩田委員は、応援団発足時、資生堂役員だった経歴を生かし企業への浸透に力を入れたことを披露。これからは、長時間労働が当たり前といった人々の行動の考え方や行動を変えるという仕事があることを訴えました。

IMG_2186.JPG奥山さんは、大御所の団長や企画委員と事務局との橋渡し役を担ってきたと紹介。地域で子どもたちに関わることで、その子が将来、地域で親になることを支援することにつながると訴えました。

IMG_2188.JPG山田さんは、9年前に育児休業を取得し、本を書き講演する中で団長らとつながりができて応援団に参画することになった旨を紹介。応援団をきっかけに企画委員だった林文子さんに誘われ横浜市副市長となり、待機児童対策に奔走することになったことを振り返りました。

IMG_2190.JPG 8年前まで厚生労働省に在籍したという椋野さんは、介護保険を誕生させた市民ネットワークが子ども関係でも必要だと考えていたことを紹介。地方から社会保障政策を見てきたことから、人口減少が進み地域再生が課題と言っているところほど子育て世帯への支援が最優先課題であり、まだ応援団にはやるべきことがあると訴えました。

IMG_2194.JPG 小児科医の柳澤さんは、子どもの貧困や、子どもの保健分野で格差が広がっている現状を課題に挙げました。




◎オープニング
「いよいよキックオフ! 子ども・子育て支援新制度」


 平成27年4月から新制度が施行の予定。それに先行して、消費税が8%に引き上げられた財源の一部を活用して「保育緊急確保事業】がスタートしています。そこで、にっぽん子育て応援団事務局は、平成26年度の自治体予算を調査してみました。県庁所在地など69自治体から得られた回答からは、保育所の拡充だけではなく地域子育て支援事業などにも力を入れていること、待機児童加速化プランに対応した事業としては、保育施設の整備とともに担い手確保のための事業が多くなっていることが分かりました。

勝手に表彰「すてきな子育て支援大賞」
 自治体予算調査などを通して、独自の子育て支援事業を展開している自治体が少なくないことが分かりました。そこで、遠野市の「ねっとゆりかご」など先進的な事業を実施している19市区を「すてきな子育て支援大賞」として表彰いたしました。
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◎パネルディスカッション
「みんなで作る地域子育て支援」


 企画委員の岩田さん、団長の勝間さんをコーディネーターに、新宿区長の中山弘子さん、北本市長(埼玉県)の石津賢治さん、相模原市子ども・子育て会議会長の岡健さん(大妻女子大学教授)、墨田区子ども・子育て会議公募委員の荘司美幸さん、内閣府・少子化対策担当参事官の長田浩志さんが、地方版子ども・子育て会議の進捗状況などについて報告しました。

IMG_2202.JPG このうち、中山さんは「子育てしやすいと思う人を増やす」と目標を掲げて子ども施策を充実させ、平成15年度(次世代育成支援行動計画の前期計画時)から就学前児童の保護者で倍増、小学生保護者で3倍増となったことを紹介。現在は、保育施設の受入れ枠を増やすとともに、在宅で子育てしている人の育児の辛さを和らげるよう一時保育を整備するほか、身近な場所できめ細やかな相談のできる体制づくりを進めていることを報告しました。利用率が高い地域でも待機児童が発生するなど、保育所整備の難しさにも言及されました。

IMG_2204.JPG 就任11年の石津さんは、小学6年生まで学童保育を受け入れたり、低学年の少人数学級を実施するほか、待機児童の3年間ゼロ、ゼロ歳児のおむつ無償化、病児保育の計画化など子育て支援に最優先で取り組んできたことを報告。待機児童の多い都市部でなく、子育て環境の整備された北本市への移住をアピールしました。

IMG_2206.JPG 岡さんは、次世代育成支援行動計画の時から、行政が作成する計画に市民が参画する協議会の意見を反映させるよう提言書をまとめ、その結果をチェックするなど、当事者参画の実質を求めてきたことを紹介。今回の新制度においても、幼保連携型認定こども園の認可基準を巡って市民を対象とした学習会を開催して学び合っていることを報告しました。

IMG_2213.JPG 荘司さんは、親会議のほかに企画会議や臨時会議などを開催し、グループワークを通して墨田区の子ども・子育ての良い点・悪い点を出し合い、委員の間で理念を共有する時間を持てたことが大事だったと報告。地域の子育て世代に近い立場で一緒に制度を考える場づくりを行ってきたことを紹介しました。

IMG_2214.JPG長田さんは、8%に引き上げられた消費税引き上げ分の一部を活用して、新制度の先取りとなる保育緊急確保事業が実施されていることを紹介。待機児童対策だけではなく、地域子育て支援拠点事業など地域子ども・子育て支援事業に移行する事業も盛り込まれていることを挙げ、新たな事業として利用者支援事業への期待を示すとともに、新制度をまつことなく事業化できる点を強調しました。

 その後、コーディネーターとのやり取りとなり、「働き方や社会の在り方が問われている」「若人たちが政治に参画し、声を寄せるべき」「民主主義には時間がかかる」「それまで供給側にとどまっていた関係者が利用者・当事者に広がっている。受益者の論議も入れて事業計画を策定することが大きなポイントではないか」「当事者の声を吸い上げる人を増やすことが大事。それよって行政の風通しがよくなるとよい」「わが町のことをちゃんとチェックし、みんなに知らせるという足元のことも大事にしたい」「かかわっている人が当事者意識を持って変えないと課題は永久に残る」などの意見が出されました。
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 最後に、思い切った財源投入と働き方の抜本的な見直しなどを求めるアピールを採択して終わりました。
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posted by Cheergaroo at 02:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 応援団プロジェクト

2014年06月02日

「いよいよキックオフ! 子ども・子育て支援新制度」アピールを子ども・子育て会議に提出。

5月24日(土)に、大妻女子大学千代田キャンパスで開催したにっぽん子育て応援団結成5周年記念フォーラム「あれから5年 いよいよキックオフ! 子ども・子育て支援新制度」で、財源確保を含めた子ども・子育て支援新制度のさらなる充実のために「いよいよキックオフ! 子ども・子育て支援新制度」アピールが採択され、週明け26日の国の子ども・子育て会議に提出いたしました。

もっと子育てしやすい社会の実現を目指して、今後も活動していきます。応援を、よろしくお願い申し上げます。

アピールの全文は以下のとおりです。

「いよいよキックオフ! 子ども・子育て支援新制度」
アピール
                   2014年5月24日 
                   にっぽん子育て応援団

 にっぽん子育て応援団が5年間訴え続けて来た「子ども・子育て支援にもっと財源投入を!」との願いは、税と社会保障の一体改革の中で「子ども・子育て支援新制度の創設」という形で具現化されることとなりました。平成26年4月1日には消費税が8%に引き上げられ、子ども・子育て支援の量と質の拡充に充てるよう、3000億円が計上されました。すでに新制度は始まっていると考え、ここに「いよいよキックオフ! 子ども・子育て支援新制度」アピールを行います。

【にっぽん子育て応援団の考える目標】

すべての子どもたちが、家族の愛情に育まれ、
また、子ども同士の積極的な関わり合いの中で、
そして、地域や社会の多くの大人の慈しみの中で、
心豊かに成長できる環境を保障すること

【目標実現のためのにっぽん子育て応援団のアピール】

1 思い切った財源投入を

 子ども・子育て支援新制度の「量の拡充」と「質の向上」にかかる費用として試算された金額は1兆円超です。全国どこで生まれ育っても必要な支援が、すべての子どもと子育て家庭に行き届くしくみを実現できるよう、税と社会保障の一体改革によって確保される0.7兆円に加え、さらに必要となる財源の確保実現に向けた継続的な取り組み、大きな政治の決断を求めます。

2 自治体の責任において、地域主体の子育て支援の実現を

 本年4月からの消費税8%引き上げを踏まえ、新制度の先取りとして保育緊急確保事業もスタートしました。各自治体においては、地域主体の子育て支援の実現を目指し、多様な子育て支援の充実に向けた取り組みを加速し、責任をもって着実に実施してください。

3 人生のスタート時期に手厚い支援を

 妊娠・出産期からの、すべての子育て家庭への支援が不十分です。ひとり親家庭、障がい児を育てる家庭、経済困難を抱えている家庭など、それぞれの家庭の状況に合わせたこまやかな支援が求められています。国においては、必要な予算を確保するとともに、各自治体においては、就学前の幼児教育・保育のみならず、妊娠・出産期からの切れ目のない多様な子育て支援や、地域子育て支援拠点事業、一時預かり事業などの地域子ども・子育て支援事業を、確実に実行してください。

4 主体的な子育てができるよう、利用者支援の充実を

 どのような状況にあっても主体的に子育てができるよう、ひとり一人のニーズに合わせた支援の実現のため、国においては、必要な予算を確保するとともに、各自治体においては、子育て家庭に身近な場所に「利用者支援の専門職員配置」を充実させてください。

5 働き方の抜本的見直しを

 ワーク・ライフ・バランスを進め、長時間残業が当たり前という働き方の常識を抜本的に改革し、男女ともに、子育てをしながらキャリアアップし活躍できる社会づくりのため、地方自治体および企業に対し、次世代育成支援行動計画の策定・推進を求めます。