2022年06月22日

2022参議院選挙に向けての子ども・若者・子育て家庭支援政策政党アンケート

にっぽん子ども・子育て応援団恒例の国政選挙に向けた政党政策アンケートを今回の参議院選挙でも実施しています。
6月22日の公示日までにご回答をいただいた、自由民主党、公明党、立憲民主党、国民民主党からのご回答の要約を一覧表にまとめました。
2022参議院選挙に向けた政党アンケート回答要約一覧
まだご回答をいただいていない政党の分も、ご回答が届き次第、一覧表を更新していきます。

今回のアンケート内容は以下の通りです。
2022政党アンケート
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2021年12月17日

子ども・子育て政策について、各政党国会議員に陳情(その1)

衆議院選挙も終わり、臨時国会も始まろうかという11月終盤から12月にかけて、子ども・子育て政策についての提言を携えて、にっぽん子ども・子育て応援団団長及び企画委員が、各政党の国会議員に向けて陳情を行いました。
第1弾は公明党衆議院議員の古屋範子さんのところへ、11月26日に企画委員の奥山千鶴子と清原慶子、運営委員の昼間洋子と事務局の當間紀子がお伺いしました。
2021年5月の周年フォーラムで発表した「子ども・若者・子育て家庭のウェルビーイングの実現に向けたアピール2021」をもとに、喫緊の課題5つをまとめ、古屋議員にお渡しした後、懇談しました。
今回の提言ポイントは次の5点です。

1.生まれる前から子どもの成育環境を守る
妊娠が母体に与える影響と必要なサポート、子どもは泣くのが当たり前など子どもの発達特性について、社会全体が深く理解し、妊娠期からの親子を慈しみの気持ちを持って受け入れられる環境と制度づくり。
2.妊娠・出産、子育て期の子ども・子育て家庭のウェルビーイングを図る
すべての妊婦及び子どもと家族が、必要なさぽーとを主体的に選べるサービス体制を実現させる制度づくり。
3.男性の家庭活躍を保障し推進する
子どもや家族と過ごし休める権利、子どもが親と過ごす権利としてのインターバル規制の実現と男性育休の促進。
4.社会的養護・若者(とりわけ若年女性)支援を充実する
環境によって子どもたちが進路や生き方の選択肢を狭められることがない社会の実現。とりわけ弱援助性への新たな法整備の推進。
5.実現するための制度設計と必要な財源の確保
子どもの権利を保護する基本法の制定と、それを理念として、すべての子ども・若者・子育て家庭を支える政策の実現と安定的な財源確保。
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2021年10月19日

2021衆議院議員選挙各政党子ども・若者・子育て家庭支援政策アンケート

10月19日に公示、10月31日が投票日となる衆議院議員総選挙。8政党に向けて
子ども・子育て支援政策に関するアンケートを行いました。
10月19日現在、7政党から回答をいただいています。
10月25日、8政党からご回答を得ました。
今回の設問は今年5月に結成12周年記念フォーラムで発表した政策提言
2021アピールを踏まえた、子ども・若者・子育て家庭支援政策に関する4問。
以下、アンケート調査票の内容ごとに回答をご紹介します。

設問1 2021年アピールで掲げた政策提言をご参照いただき、貴政党の政策課題のうち、
子ども・若者・子育て家庭支援において、優先すべき重要なものを3つ、
理由とともに挙げてください。

2021政党アンケート設問1回答1023.pdf

設問2 国では「子ども庁」創設に向けた準備室を立ち上げ検討に入っていますが、
貴政党が考える「子ども庁」の組織的あり方について教えてください。

2021政党アンケート設問2回答1023.pdf

設問3 子ども・子育て支援施策については、高齢者支援や障害者支援とは違い、
市区町村の裁量的事業が多くなっています。その結果、すべての子ども・子育て家庭に
行きわたらず、十分な支援が行われていないことが課題になっています。
今後すべての子ども・若者・子育て家庭への支援推進のために必要な
財源確保についてお尋ねします。
必要となる財源をどのように確保するお考えですか?

2021政党アンケート設問3回答1023.pdf

設問4 新型コロナウイルス 感染症対策としての子ども・子育て家庭への対応について、
どのようにお考えですか。

2021政党アンケート設問4回答1024.pdf
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2021年06月18日

にっぽん子ども・子育て応援団2021アピール「子ども・若者・子育て家庭のウェルビーイングを実現する社会づくり」

にっぽん子ども・子育て応援団は、2021年5月30日(日)に開催した、結成12周年記念フォーラムにおいて、2021アピールを発表。これからの子ども・若者・子育て家庭への政策についての提言を行うとともに、その具体的な財源確保などについては、ご登壇いただいた6政党の国会議員のみなさまからお話をお聞きした。
ご登壇くださった方々は次の通り。自由民主党参議院議員自見はなこさん、公明党衆議院議員古屋範子さん、日本維新の会参議院議員高木かおりさん、立憲民主党衆議院議員大西健介さん、日本共産党参議院議員田村智子さん、国民民主党参議院議員伊藤孝恵さん。

以下、2021アピールの概要を記します。
当日第1部の弊団企画委員による提言および、終盤のアピール読み上げなどを収録した動画は、                         こちらからご覧いただけます。

【現状】
日本では、これまで家族政策が明確に定義づけられてこなかったため、子ども・子育て支援施策は、@特別な家庭に対する社会福祉、児童福祉といった支援制度A家族の経済的基盤を維持するための雇用政策B少子化対策──といった内容で、統括的な窓口がなく、総合調整の責任の所在があいまいとなっている。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、これまで以上に子ども、若者、子育て家庭の孤立が顕在化し、日本型の福祉(特別な人だけを対象)では対応が不十分であることが顕在化した。

【方向性】
子どもの多様な成育環境が存在することを前提に、すべての子どもと若者を応援し、妊娠期からの子どもおよび子どもと暮らす家族のウェルビーイングを実現するため、政策提言を行う。少子化、核家族化が進行した現代では、子どもも大人も共に心身ともに不安定になる可能性が誰にでもあることを前提に、特定の人だけに対応する福祉ではなくすべての子ども・子育て家庭に対応する必要がある。
そのためには圧倒的に不足している支援サービスの拡充と、子ども・若者・子どもと暮らす家族を権利の主体におくサービス提供体制、経済的支援の構築が求められる。

【政策の方向性】 

1.生まれる前から子どもの成育環境を守る

@次世代育成期(生殖・妊娠期、胎児期から性成熟期に至るまでの成育サイクル)にある人の心身の健やかな成育が図られることが保障される権利を尊重するための体制づくり

A居住する地域に関わらず科学的知見に基づいた成育医療を、地域の実情を踏まえつつ、福祉・学校教育などとの連携を図ることで、妊娠期から子育て期まで切れ目なく提供できるための体制づくり

B成育過程にある人たちの年齢に応じた適正な情報提供と災害時や感染症発生などの緊急時における的確な対策の実施を通じた、希望する人が安心して子どもを産み育てることができる環境の整備

2.妊娠、出産、子育て期の子ども・子育て家庭のウェルビーイングを図る

@妊娠、出産、子育て期の子ども・子育て家庭の孤立を共同養育(親だけでなく地域社会全体で子育てを共同で行うこと。アロペアレンティング)と地域のつながりでサポート

A妊娠、出産、子育て期の困難者を含め、すべての子ども・子育て家庭に支援を届ける

Bすべての妊婦、子ども及び子どもと暮らす家族を権利の主体におくサービス提供体制、経済的支援の構築

3. 男性の家庭活躍を保障し推進する

@「少子化対策」と「女性活躍」に有効なのは「男性の働き方改革」

A男性の育児休業取得は、課題解決へのボウリングの一番ピン

C家庭進出から家庭活躍へ

D企業トップのコミットを引き出せる政策とインセンティブを

4.社会的養護・子ども・若者(とりわけ若年女性)支援を充実する

@子どものゼロ日死を防ぎたい

A社会的養護の分野でこそ子どもの最善の利益を

B困難を抱えた子ども・若者(とりわけ若年女性)の自立支援を

5.実現するための制度設計と必要な財源の確保

@子ども及び子どもと暮らす家族をその成育環境づくりからしっかりと支えるために必要な施策の点検と検討

A「子どもの権利を保障する基本法」の制定

B「子どもの権利を保障する基本法」を理念として子ども・若者・子育て家庭のウェルビーイングを実現するための政策に主導権を持つ省庁の創設と政策の遂行

C 子ども及び子どもと暮らす家族をその成育環境づくりによってしっかりと支える政策の実現とそのために必要な国及び自治体の財源の確保
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2019年08月23日

一時預かり事業拡充のための提言を厚生労働省に提出しました。

8月22日、厚生労働審議官本多則惠さんに、一時預かり事業拡充のための提言をお渡しし、子ども家庭局保育課長矢田貝泰之さん、同局子育て支援課長田村悟さんらも交え、現状についての意見交換などを行いました。

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23日には、内閣府子ども・子育て本部審議官の藤原朋子さん、参事官の西川隆久さんにも提言をお渡しします。

今回提出した提言は以下のとおりです。

一時預かり事業拡充のための提言

核家族化や知り合いのいない土地での子育てを背景に、一時的に家庭での保育が難しい状況に陥りやすい家庭が増えていることを理解し、すべての子ども・子育て家庭を対象としている一時預かり事業の必要性を社会が認め、子育て家庭が気兼ねや不安をもたずに利用できるよう、その社会的意義を共有し、現状や子育て家庭のニーズを踏まえたうえで、拡充していくことが必要です。
たとえ短時間であっても、特別な配慮が必要な場合であっても、様々な困難を抱えながら生活する親子を支援し、子どもが豊かに安心して過ごせ、子どもの社会性を育む一時預かり事業を要望します。


〇実施状況 (平成30年子ども・子育て支援推進調査研究事業「一時預かり事業の運営状況等に関する調査報告」三菱UFJリサーチ&コンサルティング 政策研究事業本部共生社会部より)(n=1920)
・回答事業所の属性について、運営主体は、26%が自治体直営、58%が社会福祉法人。
実施している他事業は、保育所66%、地域子育て支援拠点事業25%、認定こども園25%。
・一時預かり事業専用室の設置割合は、42%。
・予約の受付方法は、電話89%、来所72%。インターネットの受付システムは1.6%のみ。
・受け入れ対象年齢は、1,2歳児が8割以上と多い。
・配慮が必要なお子さんを預かっている実施施設割合は27%。
・年間利用者の63%が非定期利用者。37%が定期利用者(1か月以上週3日以上)。
・定員の平均は8名/日であるが、年間延べ利用者数が、300人未満の実施施設割合が59%。
・延べ利用者数平均について、4月は33人、3月は50人と年間利用状況に季節変動がある。
・職員の勤務形態は、常勤51%、非常勤47%。専従68%、兼務30%。
雇用形態は、正規職員32%、臨時・嘱託職員26%、パート・アルバイト40%。
・資格は、保育士87%、幼稚園教諭49%、子育て支援員4.7%。

〇運営上の課題・難しさ(平成30年子ども・子育て支援推進調査研究事業「一時預かり事業の運営状況等に関する調査報告」三菱UFJリサーチ&コンサルティング 政策研究事業本部共生社会部より)(n=1920)
課題 
・定員以上の申し込みがあり、断らざるをえない 36.7%      
・利用者数に応じた職員配置など、調整の負担が大きい 27.1%
・配慮を有する子どもや乳幼児の預かりが増え、定員分預かることが難しい 24.1%
・職員を十分に配置するための費用に対して補助金額が不足している 19.1%
・電話対応や利用料徴収などの事務負担が大きい 17.9%
難しさ 
・慣れていない子どもを数多く預かる必要がある 56.7%       
・同時に複数の年齢の子どもに対応することが難しい 21.4%

〇緊急フォーラムで明らかになった課題
 1.一時預かり事業の位置づけ、現状把握ができていない。
 2.自治体間での格差が大きい。
 3.1時間300円〜800円と利用料がバラバラ。
 4.就労・学習、親のレスパイト、子どもの発達支援、虐待予防等、事業の目的が多様。
 5.家庭のニーズに、量的に応えられていない。
   2019年度の利用児童数の目標値、1,134万人に対して、2017年度末で495万人と半分以下。
 6.実際には様々な困難を抱えた家庭、配慮が必要な家庭が利用している。
 7.子どもを預けるには家庭ごとの事情から生じる理由があり、家庭の背景にある課題を見極め、親子を支援していくソーシャルワークの機能が求められる。

○わたしたちの提言

1.就労・学習、親のレスパイト、子どもの発達支援、虐待予防など子育て家庭の多様なニーズに応えることができる一時預かり事業の位置づけや意義について、国において改めて整理し、市町村はじめ関係者に周知することを要望します

2.全国どの地域に住んでいても一時預かり事業を利用できるよう、わがまちの子育て家庭の潜在的二ーズを的確に捉え、次期市町村子ども・子育て支援事業計画に、量的ニーズを踏えた計画づくりと実施体制の確保を要望します。
特に、幼稚園、保育所、認定こども園等に通っていない家庭への非定期利用の一時預かり事業の量的拡充を要望します。
 
3.量的拡充のために、以下が実現できるよう予算の拡充をお願いします。
・保育所、認定こども園等に併設された一時預かり事業について、担当保育士の処遇改善その他の事業所への支援の充実
・多様な実施場所、運営主体が参入可能な事業環境の整備
 具体的には、地域子育て支援拠点事業等、乳幼児家庭の身近な場所において実施される一時預かり事業の拡充
・専用施設設置のための建設費、改修費、家賃補助等の実施場所整備に関わる予算の拡充

4.子育て家庭が、安心して預けられる一時預かり事業の質の拡充をお願いします。
・最低2人の職員配置が可能となる国庫補助基準額のアップ
・保育士、子育て支援員等の配置基準の見直し、処遇改善
・困難を抱えた家庭、配慮が必要な子どもを預かるための研修、支援体制づくり
・子育て支援員等研修等の拡充 
・大規模事業所の事務職員配置加算やIT化促進費用の拡充

5.様々な困難を抱えた家庭、配慮が必要な家庭に対して、家庭の背景にある課題を見極め、親子を支援していくソーシャルワークの機能を果たすため、利用者支援事業や子育て世代包括支援センター、子ども家庭総合支援拠点等との連携や専門家による支援チームの派遣等の体制整備を要望します。加えて、同様な機能を果たす、ファミリー・サポート・センター事業、子育て短期支援事業(ショートステイ、トワイライトステイ)等の拡充も合わせて要望いたします。

6.一時預かり事業を身近な事業とするため、一時預かり事業の無料利用券の配布等の工夫をお願
いします。特に、困難家庭や定期健診未受診家庭など特別な配慮が必要な家庭の利用につながる
よう配慮を求めます。

2019年7月13日

にっぽん子ども・子育て応援団
よこはま一万人子育てフォーラム
緊急フォーラム参加者有志

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2019年08月20日

緊急フォーラム「今伝えたい!一時預かり事業の現実 未来に向けて緊急政策提言」を開催しました。 緊急フォーラム「今伝えたい!一時預かり事業の現実 未来に向けて緊急政策提言」を開催しました。 緊急フォーラム「今伝えたい!一時預かり事業の現実 未来に向けて緊急政策提言」を開催しました。

 にっぽん子ども・子育て応援団は7月13日、東京・一ツ橋の日本教育会館で、緊急フォーラム「今伝えたい!一時預かり事業の現実 未来に向けて緊急政策提言!!」を開きました。一時預かり事業に関する初めての実態調査の報告や厚生労働省による事業説明、実際に一時預かり事業を行っている現場からの実践報告を受け、参加者らでグループワーク。多様なニーズがありながらも厳しい運営にならざるを得ない現状とともに、配慮が必要な親子の増加や虐待の恐れのある子どもの受入れなど現代な深刻な子育て家庭の最前線にあることなども明らかにされ、今後さらに充実が求められることを確認しました。
 にっぽん子ども・子育て応援団ではこれらを提言にまとめ、一時預かりの担当部局である内閣府子ども・子育て本部および厚生労働省子ども家庭局に向けて、一時預かり事業のさらなる拡充を働きかけることにしています。

基調報告

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 厚生労働省の平成30年度子ども・子育て支援推進調査研究事業として実施された「一時預かり事業の運営状況等に関する調査」について、担当した三菱UFJリサーチ&コンサルティングの鈴木陽子・主任研究員が報告。一時預かり事業の事業形態や事業主体、事業規模、職員配置状況などを明らかにしました。平均定員は8人で、利用年齢は1・2歳児が中心、週3日以上利用する定期利用は4割程度で、6割は年間延べ利用者数が300人未満と小規模。職員は保育士が9割で、半数が常勤。事業所の収入から給与総額を引くと、年間延べ利用人数900人未満では赤字になっていることも分かりました。配慮の必要な子や乳児の受け入れなどで人手が取られるために利用を断らざる得ない一方、急なキャンセルなどで職員が余剰となるなど利用者数に応じた職員配置が課題となっていることが挙げられました。このほか、保育者が事務負担を行うことやアレルギー・発達障害への対応、異年齢の合同保育、保育所より低い処遇などが課題に挙げられていました。

行政説明

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 一時預かり事業の推移や現在の補助内容、実態などについて厚生労働省の竹林悟史・前保育課長が説明しました。地域子ども・子育て支援13事業の一つである一時預かり事業は、理由を問わずに家庭での保育が困難な場合に利用できるという点が特徴。実施類型としては、一般型(保育所などで実施されているが場所の縛りはない)、幼稚園型T・U型(幼稚園を利用している人が利用する預かり保育)、余裕活用型(保育所は年度初めに定員に余裕があり途中から定員まで埋まるので、年度当初の余裕がある場と人を使って行う)、居宅訪問型(障害を持った子どもなどが対象)、地域密着U型(保育士の要件を一般型より緩和し、拠点などで実施されている)があります。
 保育所が持っている機能を開放するという形で平成13年ごろから補助制度がスタートし、平成20年の児童福祉法の改正で地域子育て支援拠点事業などとともに法律に位置づけられました。その際、実施主体を保育所以外にも拡大し、特定の子どもを継続的に預かる保育と区別するために「一時預かり」と名称も変更しました。また、拠点では、年齢別の配置基準を満たすことが難しいことから保育士が1人以上を要件とする地域密着U型が設けられました。その後、子ども・子育て支援新制度がスタートする前後に類型が見直され、保育所型と保育所以外の地域密着型をと統合して一般型とし、ひろばで実施されている地域密着型Uも一定の役割を果たしているとして残りました。自治体の事業計画では、平成25年度の実績400万人弱から、31年度末には1134万人まで増やすとされていましたが29年度末の実績で495万人程度と、達成は厳しいと見られています。実数が伸びないことなどに国としても問題意識を持っていることが明らかにされました。

実践報告
 友澤ゆみ子・NPO法人ピッピ・親子サポートネット理事長(横浜市)、新澤拓治・NPO法人雲柱社施設長(練馬区)、伊藤千佐子・NPO法人せんだいファミリーサポート・ネットワーク代表理事(仙台市)の3人が、それぞれの地域における一時預かり事業の実践について実情を報告しました。
 このうち友澤理事長は、単独型の一時預かり事業や認可保育所に併設した一時預かり事業、広場を利用した一時預かり事業などを展開し、全体で延べ利用人数数が4000人に上り、定期利用が多い事業形態とリフレッシュや緊急預かりが多い事業があることに言及しました。配慮の必要な子ども・保護者も増えており、受け入れられる人数は減少傾向、療育センターからの照会もあるなどソーシャルワーク機能が求められるようになっていることにも触れ、保育者側のスキルが必要だとして運営費の増額、保育士確保が課題だと訴えました。
 また新澤施設長は、子ども家庭支援センターにおける一時預かり事業について報告。延べ利用者は1万人程度で、週7日開所しており、練馬区が国の基準を上回る補助を行っており、充足率が9割を超えることなどが明らかにされました。予約や利用料の点から、一時預かりを利用した方がよい人が必ずしも利用できておらず、困難を抱えた人を受け入れらえるよう配慮していることにも触れました。区では当日キャンセルでも補助が行われていることで安心して事業運営できると指摘。一時預かりの保育の専門性について今後、検討する必要があるのではないかと問題提起がなされました。
 最後に、大規模な地域子育て支援拠点で実施される一時預かり事業について伊藤代表理事が報告。保育士3人で9人の子どもを受け入れる体制だが、処遇面などから保育士確保が難しく受け入れ人数は減少、国の補助の加算等が指定管理費用に反映されていないため、職員処遇を引き上げることが難しい点にも言及されました。心臓病など配慮を要する子どもやアレルギー児、虐待を受けたと思われる子どもなどのリスクの高い子の利用も増え、小児科や弁護士とも連携していることが挙げられました。広場に併設されているため、継続的に子どもと保護者をケアすることも可能となっている良さが指摘されました。

グループワーク・シンポジウム

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 参加者が6人程度のグループとなって意見交換。値段設定の難しさや幼児教育・保育の無償化による対象者が増えることへの懸念、配慮の必要な子どもの増加、自治体による対応の差、事務量の多さなどが課題に挙げられました。
 フロアからの問題提起を受けて、登壇者らが発言。「土日も実施するならば人件費もそれだけかかることを踏まえた事業費が必要」「断ることは難しいが、受け入れる場合にはリスクを引き受けることになる。情報量が少ない中、短時間でその子の特性を把握するといった専門性も考えるべきではないか」「一時保育の必要性が理解されない時代から事業を行ってきたが、虐待予防の観点からますます必要になってきている」「リフレッシュと言われるが、一時預かりの実態では厳しい家庭の子どもを預かっている。世間のイメージとのギャップがあるのではないか」「一時預かりを通して、深刻な家庭が多いことを実感する」などの意見が出されました。

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2019年07月02日

2019年参議院選挙に向けた子ども・子育て支援政策に関する政党アンケート

7月4日に公示、7月21日が投票日となる第25回参議院議員通常選挙。7政党に向けて子ども・子育て支援政策に関するアンケートを行いました。7月2日現在、6政党から回答をいただいています。
今回の設問は先ごろ体罰禁止などを含めた児童虐待防止関連法案改正に絡めて、社会的養護に関する4問。
以下、アンケート調査票の内容ごとに回答をご紹介します。

設問1 社会的養護の充実に向けて、貴政党が行ってこられたことを教えてください。
結果的に成立に至らなかった場合でも、国会に提出した法案についても教えてください。


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設問2 社会的養護充実に関する予算について、どのようにお考えですか。少なすぎるので増額すべきとお考えなら、財源確保の方策についても、お示しください。

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設問3 児童福祉法改正に盛り込まれた体罰禁止については、保護者や親となる人をはじめ広く社会に向けた啓発や、子どもとの対応に悩む親および保護者の支援も必要です。具体的にどのような方策が必要か、貴政党のお考えをお示しください。

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設問4 社会的養護の現場における人手不足問題が叫ばれて久しいですが、里親制度などへの理解と担い手の養成、断らない相談窓口の設置などとともに、地域の支え合いの体制作りも重要だと考えます。大切な家族を守るためには、どのような対応が必要だとお考えですか。

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2018年08月02日

地域まるごとケア・プロジェクト2017年度報告書

さわやか福祉財団からの委託により2015年度から進めている地域まるごとケア・プロジェクトの2017年度報告書を、公式サイトにアップいたしました。以下のページからダウンロードできます。ご活用ください。
http://nippon-kosodate.jp/2017_marugoto.html
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2018年03月22日

2017年度地域まるごとケア・プロジェクト報告会を開催しました。

 にっぽん子育て応援団は2月18日(日)、東京・虎ノ門の発明会館ホールで「2017年度地域まるごとケア・プロジェクト/地域包括及び子育て世代包括ケア先進自治体調査と地域人材交流研修会開催報告会」を開きました。「私たちの手で創り上げる地域まるごとケア」と題して、行政説明や基調講演、先進事例報告が行われました。同調査は、公益財団法人さわやか福祉財団の委託を受けて行われたものです。

◎開会挨拶

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 さわやか福祉財団の清水肇子理事長は、にっぽん子育て応援団とさわやか福祉財団で、地域まるごとケアをテーマに3年間活動してきた成果を強調しました。30年弱の歴史を持つさわやか福祉財団は、高齢者だけではなく誰もが支え合い、みんなで助け合う地域づくりに向けた取り組みを推進中。介護保険制度の見直しで地域づくりを強化する仕組みが生まれたことを機に、生活支援コーディネーター、地域子育てにも着目し、地域でまるごとケアを進める自治体の調査研究を進めてきたことを紹介し、今回の先進事例を持ち帰り、さらに各地で地域まるごとの取り組みが進むよう期待を寄せました。

◎行政説明
 「地域共生社会の実現に向けた地域福祉の推進について」と題し、厚生労働省社会・援護局の定塚由美子局長が地域共生社会づくり・地域福祉の取り組みについて説明しました。

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 まず、地域共生社会づくりという考えの背景について言及。これまでの日本では、介護保険制度や障害者福祉、子ども・子育て支援制度など支援対象に応じて制度を充実させてきましたが、一つの制度で収まり切れない課題があちこちで発生、要介護者がいる家庭で引きこもりの成人がいるなど、世帯単位でみたときに相談事を持ち込む先が分からない事態が多発していることを挙げました。地域の福祉現場ではすでに縦割りではなく、種別や世代を超えたまるごとの支援をしてきていました。国も支援の支え手と受け手を固定して捉えるのではなく、弱まっている地域のつながりを再構築できるよう、住民がそれぞれの課題を自分のこととして参画する地域づくりを地域共生社会として進めることになった旨を説きました。
 その上で、「地域共生社会の実現」のために、@地域づくり・相談支援体制Aサービス提供体制B人材――の3つの観点で検討していることを紹介。地域づくりに関しては、さまざまな分野で支援活動を行っている人が参画した「地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会(地域力強化検討会)」で論議し、市町村で包括的な支援システムを作り、相談する力がない人にはアウトリーチ(訪問)するなどして、地域でどこかの相談窓口につながる仕組みを作ろうと意見を取りまとめ、社会福祉法を改正したことを報告しました。
 さらに、社会福祉法の改正で、地域の包括的な支援体制づくりと地域福祉計画の策定が自治体の努力義務となり、地域体制づくりを含め推進している旨を紹介。地域づくりに関しては国として予算を設けてモデル事業を進めており、平成29年度は100自治体に補助、30年度は150市町村に支援を行う予定である旨を明らかにしました。さらに、地域共生社会づくりについては今後も検討をさらに進めていく旨を強調。昨年12月に指針を策定し、通知していますが、各自治体の実情に応じて取り組みが重要なことを挙げ、共生社会づくりに向けて、例えば予算の使い勝手が悪いといった難があれば声を上げていただくなど、地域と協働で進めることができるよう期待を寄せました。

◎基調講演
 「地域共生社会は住民自ら創り上げる 共創コミュニティ」と題して、日本福祉大学の原田正樹教授/学長補佐が講演。地域共生社会の現代的な課題について説きました。

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 原田教授は、まず、地域共生社会の理念について問題提起。「地域の課題を自分のこととしてとらえる」といった「我が事・丸ごと」の内容について、「昔から言われてきた」「国から強制されるのはどうか」といった指摘があることを挙げました。「地域」には優しさがある一方で排除する冷たさもあることに触れ、客観的な視点が必要なことに言及しました。
 その上で、相模原市で昨年発生した障害者施設での殺傷事件が、福祉関係者に問いをなげかけたことを取り上げました。犯人の「この世に障害者がいなくなればよい」といった主張に対して、賛同する人が多かったという現状に触れ、福祉関係者の「無知から障害者差別が起きる」という常識、日本人の福祉意識は総論賛成で各論は反対(障害者差別はよくないといった意識は持っているが、自宅近くには施設は建設してもらいたくないと思っている)という認識にも疑問を投げかけるものであったと話しました。
 こうした現状をもたらす要因の一つとして福祉教育に言及、無知を解消するために子どもが福祉を学んでいるが、そこで差別意識が再生産されているのではないかと提起しました。具体的には、福祉教育として行われている障害者や高齢者の疑似体験が不自由さの理解にとどまっているため、かえって障害者や高齢者はできない人だというマイナスイメージを強化し、健常者の優越意識を育てているのではないかと問題視しました。
 次に、この対局にある別の福祉教育を紹介。家族を持つ視覚障害の女性を教室に招き、リンゴの皮をむくという当人にとっては当たり前の作業を披露してもらうことで、「障害者=できない人」といった子どもたちの認識を覆している例を挙げました。そこから、障害、生活のしづらさは生活している環境によって左右されるという新しい福祉観・障害観に言及し、この見方に立った福祉教育の見直しの重要性を指摘しました。
 その上で、障害を持っていてもできることは無限にあるという福祉観や障害観を持つことが共生社会をつくる上での下地を作ると指摘。こうした意識を育てる質の良い福祉教育が求められており、そのために学校と地域社会の連携が重要だと説きました。
 さらに、「障害は環境による」といった考えに立つと、生活のしにくさを抱える人に対するまなざしも受け入れる方向へ広がるのではないかと投げかけ、本人の強みを大事にし、できることをもっと伸ばすという、その人らしさを支援することも共生社会の核になるのではないかと問題提起しました。高齢者についても単なる世代間交流では高齢者はお荷物といったマイナスイメージを広げるだけですが、その生きざまに触れるような交流により、子どもたちが高齢者に倣って脱いだ靴を揃え、言葉使いが丁寧になるなどの効果をもたらすことも紹介しました。
 また、原田教授は、「ニッポン一億総活躍プラン」で謳われている地域共生社会の理念、「全ての人々が地域、暮らし、生きがいを共に創り、高め合うことができる」との考えについて、「目新しい考え方ではない」と言及。支え手側と受け手側に分かれるのではなく、支え合う地域コミュニティを育成するためには、専門職の意識が問われていると指摘した上で、介護保険に契約という考えが入ったために、専門職の間に「契約に基づく利用者だけが対象」との意識が広がっていることを問題視しました。
 それだけに、地域福祉の在り方を制度や専門職の側から考えていかないといけないと主張。共生社会づくりの根っこは生活困窮者自立支援制度からスタートしており、この分野では、支援の必要な人は経済的に困窮している人だけではなく、社会的孤立もあると認識されてきたことを挙げながら、努力できない人も支援の必要な人だと受け取る地域づくりが重要な旨を訴えました。そこには自立に対する考え方も背景にあり、自分で稼いで自分で食べるという経済的自立、自分で決めて実行する社会的自立、精神的自立のほか、本人の弱さを認めて寄り添うといった自立もあり得るとして、「自立とは依存先を増やすこと」と主張した熊谷晋一郎氏(東京大学先端科学技術研究センター)の言葉を紹介しました。
 最後に地域づくりに関連して、今回の社会福祉法改正の重要性を強調。第4条、地域福祉の推進に関し、対象とする地域生活課題を絞り、地域福祉における国や地方自治体の責務が盛り込まれたことを評価しました。すでに全国各地でいろいろな取り組みが始まっていることに触れながら、自治体と地域住民との協働の在り方も課題であると指摘しました。そして、福祉を「ふだんの くらしの しあわせ」と捉えてはどうかと問題提起。福祉が毎日の暮らしの中にあるものと考えると、誰もが参加できるものとなり、多文化共生や社会的包摂、地域共生にもつながると訴えました。

【報告と提言「私たちの手で創り上げる地域まるごとケア」】
 にっぽん子育て応援団が2017年度地域まるごとケア・プロジェクトでヒアリングに訪れた3地域から実践報告をしていただきました。

◎「その人のニーズにとことん寄り添うことで次々事業が生まれる」
一般社団法人らぷらす代表理事 安斉尚朋さん
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 北海道夕張市での取り組みについて安斉さんが説明。どんなに重い障害を持っていても地域で暮らせるまちづくりを目指して活動してきた経過を報告しました。
 夕張市は、人口8300人で高齢者化率は50%、障害者は12%(国の平均の倍)。6割が高齢者や障害者という中で、高齢者や障害者が活躍できる環境づくりを重視してきたということです。まず、葬儀会場に使われていた公民館「はまなす会館」の閉館にあたり、当別町のNPO法人ゆうゆう(当時。現在は社会福祉法人)の協力を得て、指定管理で事業を継続。その際、障害を持つ我が子の働く場を探す母親と出会い、その要望に応えつつ、高齢者の食環境が貧しいという地域事情を考慮してお弁当づくりを始めました。ケアマネジャーや介護事業所とも連携し、配食・配食時の障害児が安否確認を実施します。実際には、地域の集まりなどでも注文が来るようになり、会館で食事会を開催するなど活動は広がっています。
 お弁当作りは、調理経験のない障害者が担当していますが、クックパッドでレシピを調べ、その通りにやるとおいしい料理ができることに気付き、一機にやる気になってくれたということです。塩一つまみや少々の分量が分からなくて困っていましたが、自分で調べて再現できるようになり、調理師免許を取るまでになったということです。
 また、広汎性発達障害の子どもを抱える母子家庭のために、児童デイサービスを事業化しました。同じ特別支援学級の友達も行ってみたいと登録者は増加。障害児だけで活動するのではなく、地域とのつながりを持てるよう、「餅つきを教えて」と高齢者ケアハウスに頼み、餅つき大会に来てもらい、夕張自然体験塾で地域の人と流しそうめん大会を行っているそうです。
 このほか、痰吸引が必要な子が利用できるようにパート看護師の配置を検討。そのためには看護師の子どもの保育が必要だと、保育士を雇って一時預かりを事業化したことも紹介されました。一時預かりの場は、子育て中のお母さんが拠点として活用するようにもなりました。安斎さんは、「一人のニーズは地域のニーズ」と受け止めて対応してきたと報告。作業所で対応できない仕事の依頼があった場合でも、ケアハウスの高齢者にボランティア募集と呼び掛けて活躍してもっていることも報告されました。
 らぷらすの取り組みに対して原田教授は、市民の6割以上が障害者と高齢者という状況で、それぞれのストレングスをみつけて取り組んでいる点、ひとりのニーズにこだわっている点の重要性を評価されました。

◎人や機関をつなげ、地域課題に対応するコミュニティ・オーガナイザー
 社会福祉法人文京区社会福祉協議会 浦田愛さん
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 文京区初の地域福祉コーディネーターとして活動し6年目を迎える浦田さんが、現状を報告しました。「人と物と金はある」文京区では近年、人口は増加傾向にあるものの世帯人員は減少し、生活保護世帯が増え、格差課題も顕在化しているとのことです。社会福祉協議会にも個人的な相談事が持ち込まれるようになってきたことから、地域に出て課題をさがすべきと、平成24年から地域福祉コーディネーターが配置されるようになったと報告されました。社会的な孤立やゴミ屋敷など、自分に問題が自覚していない人などに対応。平成28年から生活支援コーディネーターも兼務しているということです。
 その中で駒込地区(5万人)の取り組みが紹介されました。猫や植木の近隣トラブルなどの様々な個人支援の背後には福祉的課題があると指摘。住民のニーズがあれば活動を起こしていく「地域福祉コーディネーター」と、行政と政策的な話し合いをしながら介護予防的な活動を起こしていく「生活支援コーディネーター」の違いを使い分けながら活動しているということです。
 居場所づくりの例として、「こまじいのうち」が取り上げられました。玄関に募金箱が置かれているものの、金額は数えないなど運営は緩やかです。ここで、子ども食堂や栄養士会開催のキッチン、傾聴ボランティアのおしゃべり会、子育てサロンなどさまざまなイベントが開催されています。ここは、個人が相続した空き家を地域に居場所として貸し出した例。大家さんもやっているうちに楽しくなり、「こまじい」マスターとして中心的な役割を担っています。地域の人々が月300〜400人参加するほど緩やかにつながり、だれもが気軽に参加できるからこそ課題のある人もつながり、必要に応じて専門職につなぐ機会にもなっているとのことで、「こまじいのうち」をモデルに、他の地区でも居場所づくりが広がっているということです。「こまじいのうち」は、町内会のバックアップ機関である駒込地域活動センターと社協が両輪のように立ち上げをサポート。地域の40人が参加する実行会議でコンセプトや名前、利用料をとるかどうかなどを決めてきたとのことで、社協や地域活動センターは地域の中でコアスタッフを見つけ、住民だけで運営できるように支援していることも紹介されました。行政や社協が現場に出ることによって住民主体の世界を広げていく、協働の必要性が訴えられました。
 これに対して原田教授は、住民に丸投げするのではなく、コーディネーターが一緒に協働する、緩やかにたくさんの人が参加できている良さを挙げました。

◎多機関連携で、重複課題にも対応できる全世代型地域包括ケアへ
 長崎市福祉局地域包括ケアシステム推進室 谷美和さん
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 谷さんは、国の多機関型包括的支援体制構築モデル事業を平成29年10月から受けている長崎市の現状を報告しました。同市は被爆者がいるため介護機関が多く、専門職が多いという特色があり、それだけに専門職が地域に出て支える体制できないかと模索してきたことが紹介されました。現在、高齢化率は30%、傾斜地が多いのに山頂部に高齢者だけで住むケースもあり、住み慣れた地域で暮らすために傾斜地にゴンドラをつけるなどの支援策も行っているとのことです。
 多機関型包括的支援体制構築モデル事業では、高齢・障害・子育てなどにワンストップで対応するための相談窓口を設置。個別の相談支援だけでなく、相談のコーディネートや関係機関のネットワークまでを行う予定にしている旨が紹介されました。
 モデル事業となったのは、20カ所ある地域包括支援センターのなかの2カ所、訪問診療を行う診療所や介護や障害の事業所が多い中心部と、事業所が少なくヘルパーがいない周辺部でモデル事業を実施しています。ただ、相談については全市で受け入れています。
 モデル事業では、3人ずつ社会福祉士を配置し、複合的な課題を抱え包括的な支援を必要とする人の把握、ワンストップの相談受け入れなどから、関係機関の地域づくり、資源の開発、周知のためのリーフレット作成などを行っているということです。寄せられる相談は幅広く、1世帯で3つ程度の困難を抱えているケースが多いそうです。
 複合課題を抱える家庭支援例の中から子どもを含む具体例を2例紹介。70代の夫婦と40代の長男、10代の孫の三世代同居世帯では、認知症を発症した妻の介護サービス拒否と祖母の認知症が理解できない孫の振る舞いと不登校、多忙で家事を回す余裕のない長男と家のことに無頓着な夫という現状から課題を整理、孫支援にスクール・ソーシャル・ワーカーも関わるなど、多機関・多職種の連携による分野横断的な対応を報告。さらに、40代夫婦と学齢期の子ども二人、40代の夫の姉の世帯で、要介護認定の妻の介護サービス費や子どもの給食費の滞納と子どもの不登校に対し、生活困窮への緊急支援と生活立て直し協議、税の減免などの手続きへの同行援助などとともに、主任児童委員さんらと家族見守りネットワークを構築しましたが、夫婦の離婚も危惧され、一歩進んだ支援策を継続していると報告されました。これら具体的な例を踏まえ、専門職の連携と対応の質を上げる重要性が課題であると締めくくりました。
 これに対して原田教授は、地域特性を踏まえた仕組み作りを進めている点を評価。改正社会福祉法の施行で各自治体でも地域独自の取り組みが求められる点が参考になると説きました。

【応援団の報告】
 2015年から、3年間で25自治体を、地域包括ケアに子ども・子育ても仲間入りさせてほしいとお願いしながらヒアリングし、子ども・子育てに関する課題に対して地域の理解がないことが最大の課題であると痛感していると報告しました。子育てに目配りがある自治体は、高齢者や障害者などにも目配りするようになると指摘。この3年間の変化を示す例として高松市を紹介。2015年度にヒアリングで出会った子育て支援担当者が高齢・介護担当へと異動、2016年度に別件で高松市を訪れた際に挨拶にみえ、インターンの大学生に「高齢の居場所へ乳幼児親子も行きたくなるような方法を考えてほしい」とお願いしていると報告された。2017年度には地域に多く置き込んできた高齢者の居場所を多世代共生型に活用しようと、居場所づくりガイドブックを高齢部署と子育て支援部署の共同企画で作成、そのお広めを兼ねた高齢者支援関係者と子育て支援関係者の交流の場として、地域まるごとケア・プロジェクトの地域人材交流研修会を開催したことを報告しました。

【閉会挨拶】
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 にっぽん子育て応援団の樋口恵子団長が挨拶。人生100年時代の出生から墓場まで、スタート地と終着地は地域しかなく、子どもと年寄りの共通点は徒歩圏内の地域で似たようなものであることを改めて指摘されました。その上で、「社会はファミレス(=家族が少なくなる)化している」と問題提起。家族の構成員が少なくなると地域とのつながりもなくなるコミュレス化(=コミュニティにもつながらない)し、孤立しやすい社会となりつつあると分析しました。血縁がなくても地域をご縁に支え合う社会になれるかどうかによって、21世紀も日本の豊かな社会が持続されるかどうかも関係していると説きました。
 また、高度経済成長期に企業が経済発展に目を注ぐあまり家庭から父親を取り上げたこと、女性の就労の権利と義務を奪い専業主婦を最もよい生き方とする文化をつくったことを振り返りつつ、にっぽん子育て応援団が地域包括ケアの中に子ども世代も入れるべきだと提案してきたこと、その上で、「地域が変わらないと絶望的」「地域こぞって子育てを」と指摘しながら、子ども食堂に高齢者が乗るという新しい流れも出てきていることを評価。やがて生まれてくる子どもたちのこれからの100年を大事にするためにも、地域が重要であり、地域の欠点も見つめつつ克服する必要があるとし、同時に、障害があってもなくても障害を感じさせない、障害を感じないで生きていける社会をつくる覚悟を表明、一人一人が主人公であると説きました。

posted by Cheergaroo at 13:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 応援団プロジェクト

2018年02月23日

地域まるごとケア・プロジェクト2016年度報告書。

にっぽん子育て応援団が、公益財団法人さわやか福祉財団から委託を受けて2015年度からスタートさせた地域まるごとケア・プロジェクト2016年度報告書をアップしました。
2016年度調査概要と問題提起・提言.pdf

2016年度ヒアリング調査結果(芽室町・仙台市・藤沢市・知多市).pdf

2016年度ヒアリング調査結果(奈義町・高知県・北九州市・豊後高田市).pdf

2016年度報告会.pdf
posted by Cheergaroo at 17:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 応援団プロジェクト