2016年11月21日

「第4回主要自治体の子育て分野におけるNPO/市民活動団体との協働に関する調査」が朝日新聞香川版に、取り上げられました

2016年11月12日付朝日新聞香川版朝刊で、にっぽん子育て応援団が平成27年度に実施した「第4回主要自治体の子育て分野におけるNPO/市民活動団体との協働に関する調査」が取り上げられました。
香川)高松の子育て全国2位の評価 市長招き現状語る

「高松市が2番目に高い得点であったこと」、「子どもの貧困対策に着手しなかったことで2位に甘んじているけれど、そのほかではとても高い得点であったこと」、一方、保育所待機児童数では全国9位であり、新たな課題として浮上していること等を受け、9月29日にNPO法人わははネット主催で開催された「たかまつ子育てフォーラム」を取材しての記事です。
「たかまつ子育てフォーラム」については、すでに9月30日付四国新聞でも紹介されていますが、今回は、調査の概要やスパイラルチャートも紹介されています。
「たかまつ子育てフォーラム」を主催したNPO法人わははネット発行の「おやこDEわはは」Vol.69でも、フォーラム開催の様子を紹介しています。

2016年10月05日

第1回地域力強化検討会が開催。

厚生労働省が平成27年9月17日に公表した「新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン」では、「新しい地域包括支援体制(全世代・全対象型地域包括支援)を実現するために、対象者やその世帯について、分野横断的活包括的な相談・支援を実現するための方策を検討する」としていました。さらに、平成28年6月2日に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」では、「小中学校区などの住民に身近な圏域で、住民が主体的に地域課題を把握して解決を試みる体制づくり」、「育児、介護、障がい、貧困、さらには育児と介護に同時に直面する家庭など、世帯全体の複合的・複雑化した課題を受け止める、市町村における総合的な相談支援体制づくり」などを進めるとしています。
これらを踏まえ、厚生労働省では庁内横断的な取り組みとして、「「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部」を設置。住民主体による地域課題の解決力強化・体制作り、市町村による包括的相談支援体制などについて検討を行う「地域力強化ワーキンググループ」で具体的事例に基づく検討を行う「地域における住民主体の課題解決力強化・相談支援体制の在り方に関する検討会」(地域力強化検討会)の第一回会合が、10月4日、開催され、冒頭、塩崎厚生労働大臣のご挨拶がありました。(写真)

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奥山千鶴子企画委員が、この検討会委員を拝命したことから、2015年度地域まるごとケア・プロジェクト報告書を参考資料として、委員及び事務局のみなさまに配布していただきました。
「他人事」になりがちな地域づくりを、地域住民が「我が事」として主体的に取り組む仕組みづくりと、地域づくりの取り組みの支援と公的な福祉サービスへのつなぎを含めた「丸ごと」の総合相談支援の体制整備を進めるから「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部」ということで、本部の名前は短いですが、検討会の名前が長い。略して「地域力強化検討会」。全国から、現場で日々先進的な実践を行っている方々が集まって、協議が始まりました。年内にはまとめられて、今後の地域福祉政策に生かされていく予定です。
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2016年07月12日

加藤勝信少子化対策担当大臣に要望書をお渡ししました。

7月11日(月)、勝間和代団長、奥山千鶴子企画委員、高祖常子運営委員と事務局とで、一億総活躍担当大臣で、内閣府特命担当大臣(少子化対策・男女共同参画)である加藤勝信衆議院議員に、「本当に「夢をつむぐ」子ども・子育て支援を実現させるための財源確保に関する要望書」をお渡ししてきました。

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「どうも(個別ニーズを抱える)マイノリティへの施策が足りないように思います。たとえば子どもの貧困対策。子どもには何の責任もないのに、悪循環に入り込み、社会の分断にもつながっています」と勝間団長が口火を切り、「にっぽん子育て応援団が先日実施した全国自治体調査でも、子どもの貧困対策に取り組む自治体はわずかでした」と奥山企画委員が調査報告書に触れると、「国でも、市町村に向けて子どもの貧困実態調査と対策立案と実行をと、30億円の予算を確保したんだけれど、ちゃんと執行されていない。先進的に取り組んでいる自治体にネットワークモデル事業もやってもらって、お手本を示していくなど、ちゃんと進めてもらえる工夫を考えたい」と加藤大臣。

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にっぽん子育て応援団立ち上げの頃に、フォーラムにご登壇くださった加藤大臣。子ども・子育て支援について熱心に取り組んできた議員のお一人でもあります。財源確保はもちろん、すべての子どもと子育て家庭を支えるための効果的な施策展開をと、かなり突っ込んだお話になりました。
ところで、「輝く女性」、「女性活躍」と言われますが、既にぎりぎりまで頑張っているのに、「もうこれ以上輝けないし、活躍も出来ない」という女性の嘆きが聞こえてきます。「ああ、よく言われます。「輝く」も「活躍」も言われたくないと」と、加藤大臣も苦笑い。「何かよい言葉はありませんか? あったら教えてください」と逆にお願いされてしまいました。

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2016年06月24日

馳浩文部科学大臣に 「本当に「夢をつむぐ」子ども・子育て支援を実現させるための 財源確保に関する要望書」をお渡ししてきました

6月24日、にっぽん子育て応援団の樋口恵子団長、勝間和代団長、奥山千鶴子企画委員と事務局が、「本当に「夢をつむぐ」子ども・子育て支援を実現させるための財源確保に関する要望書」を携えて、馳浩文部科学大臣にお会いしてきました。

2014年11月の「消費税率引き上げの1年半延期」の決定が下されたとき、にっぽん子育て応援団は、前回の引き上げ延期発表の翌日に記者会見で「財源確保を求める緊急アピール」を発表、フォーラムに各政党の国会議員をお招きして直接陳情書をお渡しするとともに、当時の担当大臣にも陳情を行いました。

新制度の財源確保を求める決議文20141119.pdf

このとき、「再延期はしない」とされていたにもかかわらず、再度の引き上げ延期となってしまいました。こんなことで、子ども・子育て支援新制度の財源確保、本当に「夢をつむぐ」ことのできる子ども・子育て支援が実現できるのでしょうか?
「夢をつむぐ子育て支援、子ども・子育て支援新制度は、なんとしても進めて行きたい」という思いは馳大臣も同じ。まずは要望書にしっかりと目を通して受け取ってくださいました。

にっぽん子育て応援団2016年度要望書0613.pdf

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さらに、「(消費税引き上げ延期で確保が難しくなった)3000億円をどうやって調達するべきか、よい方法はありませんか?」と樋口団長と勝間団長に尋ねました。

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勝間団長は長年の自説である「長時間労働の是正と配偶者控除の撤廃をセットで行うこと」をあげ、「今のような長時間労働では、女性が働き続けるのは辛い。しかも配偶者控除があるため所得を自ら制限する働き方をしてしまう女性が多いが、その結果、女性の税負担は、男性が負担する税額の10分の1に留まっている。長時間労働を是正し、配偶者控除を撤廃することで、女性もしっかりと稼いで、しっかりと税金を払うようになる。税収を飛躍的に増やすには、これが最も効果的」と、ワーク・ライフ・バランスの観点からも注目されている長時間労働是正と、なかなか実現しない配偶者控除の撤廃のメリットを説明。財源確保のお願いにあがったのが、どう確保するかについて、しばし協議する時間になりました。
「さらなる施策の充実に向けて、これからは頻繁に情報交換しましょう」と、馳大臣。こちらこそ、どうぞよろしくお願い申し上げます。

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子ども・子育て支援の財源についてみんなで考えるアンケート

2016年参議院選挙に向けた子ども・子育て支援政策の財源確保の方法に関する政党への質問と同じ質問を、お読みいただいているみなさんにも致します。子ども・子育て支援の財源について、みんなで考えましょう。

みんなで考えるアンケートは、こちらから。
http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=111984

☆アンケート結果
http://www.smaster.jp/Result.aspx?SheetID=111984

2016年参議院選挙に向けた子ども・子育て支援政策に関する政党アンケート結果
6月22日に公示、7月10日が投票日となる参議院選挙。8政党に向けて子ども・子育て支援政策に関するアンケートを行いました。6月21日現在、6政党から回答をいただいています。

政党アンケート結果
http://nippon-kosodate.jp/topics/topics.cgi?ID=00261
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2016年06月21日

にっぽん子育て応援団結成7周年記念フォーラムを開催しました。

にっぽん子育て応援団結成7周年記念フォーラム
これから親になる私たちが考える本当に欲しい子育て支援はこれだ!
──開催報告


 にっぽん子育て応援団は5月22日、東京家政大学で結成7周年記念フォーラム「これから親になる私たちが考える本当に欲しい子育て支援はこれだ!」を開催しました。

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 冒頭、応援団の団長の1人で東京家政大学女性未来研究所長でもある樋口恵子さんが挨拶。結成当時は、子ども・子育て支援のための法律はありませんでしたが、その後、子ども・子育て支援法が誕生し、女性活躍推進法が成立したことなどを振り返りました。また、友人から、「2000年の介護保険誕生のときは、目が覚めるほどの変化があったが、子ども・子育てではそこまでの変化はない」と言われたことを紹介しながら、「目が覚めるような変化ではないが、気付くと変わっている」と指摘。保育園が新設されたり、ベビーカーが嫌がられなくなったり、幼子を一人で連れている若い父親に対する周囲の反応が変化していることを挙げました。「法律ができると意識が変わる。意識が変わると行動が変わる」と言及し、18歳が選挙権を持つようになったことにも触れながら、「これから大人になる人の意見がしっかり反映される社会にならないと子育てしやすい社会にならない」と期待を寄せました。

【第1部】「子ども・子育て 今こんなことが起きている!」
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 「子ども・子育て 今こんなことが起きている!」と題して、大学生や子育て当事者からの現状報告を行いました。ファシリテーターは、米田佐知子さん(子どもの未来サポートオフィス代表)。米田さんは、自身が2001年、横浜市の子育て中の母親の声を集めて政策提言した経験を踏まえ、声を出し出発点になることが大事だと述べました。そして、フォーラムを機に実施したアンケートの結果を紹介。若者世代は現実感がないために多くの声が寄せられなかったものの、現役世代からは地域で障害のあるわが子へのサポート体制を整えたが夫の転勤で引っ越すことになるかもしれない不安や、一人っ子への風当たりの強さ、産前産後ケアの弱さ、自営業での保育所への入りにくさ、生活が厳しいのに保育所に入れない不満などが寄せられたことを報告しました。
 当事者のトップバッターとして、幼稚園教員を目指しているという牧野歩美さん(東京家政大学家政学部児童学科3年生)が、結婚や出産はまだ考えられない遠い話と報告。結婚や出産に結構なお金がかかることに不安が大きく、20歳代のうちに結婚、出産したいと計画しているが、幼稚園教員の給与で生活し、貯金ができるのか気がかりなことを明かしました。母親が小学生4年頃まで専業主婦だったことから、自分も子どもが幼いうちは育てたいとの希望を持っているが、周囲に小さい子どもいない中で子育てに不安があることも挙げました。
 続いて岩崎ひかり(東京家政大学家政学部児童学科3年生)さんが発表しました。母親は結婚を機に専業主婦となった保育士。3歳未満の子どもと接するうち、自身も保育士を目指すようになったと報告しました。ただ、保育士の給与は他の産業より低いといわれていることから、東京で一人暮らしができるのか不安。将来は結婚して3人程度は子どもがほしいが、給料から将来のために貯金するのは難しいのではないかと感じていることを明らかにしました。また、保育園でアルバイトしてみて、2〜3時間でも子どもと本気で接すると大変だと感じたことから、家庭で子育てしている母親も体力的には大変ではないかと推察。結婚後は保育士をいったん辞め、子どもが中学生程度になれば働きたいと考えているものの、相談できる人が周囲にいない中ではイライラしてしまうのではないかと不安を感じていることも明らかにしました。
 ここで、米田さんが、仕事を一旦やめるとの考えについて質問。岩崎さんは、大学の友達の間でも、ずっと働き続けるより、ある程度働いてから一度辞めて家庭に入り、復帰すると考える人が多いことを紹介しました。
 次にNPO法人で保育士として働く28歳の橋口一委さんが、保育士としての働きぶりについて報告しました。通信教育で免許を取得した橋口さんは、この2月に資格を取得したところ。就職のために保育園を見学していたら、保育実習を経験していないと伝えたにもかかわらず、すぐにでも就職してもらいたいと言われ、即面接で担当クラスまで決められたことを紹介しました。資格があればだれでもよい、新人保育士を育てる余裕もないという印象を受け、このような保育園に預けざるを得ない親御さんがかわいそうに思ったと述べました。その上で、子ども一人ひとりに向き合って保育をしたいと資格を取得したことから、今のNPOを選んだことを報告しました。

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 続いて、大田区にある子育て支援の場「ほっとスペース じいちゃんち」の副代表を務め、子育てと介護のダブルケアを経験している岡本知子さんが、3人の子どもを抱えながら介護した経験について述べました。2010年に結婚した当初から、義父母と同居。田舎で祖父母らと暮らした経験もあり、介護を担う覚悟を持っていたが、想像以上に過酷な介護体験であったことを吐露しました。東日本大震災の3日後に舅が亡くなり、姑は元気がなくなり、里帰り出産をしている間に、姑が転倒を繰り返すまでに。姑の面倒をみていると、わが子がかまってもらえないとかんしゃくを起こすようになったエピソードを紹介しました。
 こうしたストレスを発散する場を探したほうが良いとケアマネジャーからアドバイスを受けたものの、児童館のひろばでは核家族家庭ばかりで話が合わず、介護を理由に週2日の定期利用保育を使えるようになったことで一息つけたと振り返りました。ただ、翌年には利用できないなど綱渡り。ようやく小規模保育に入園できることとなり、子どもと向き合う時間を持つことができた。一方、介護者の会に行っても、集まる人は年上の40〜70歳代で、ダブルケアの辛さを理解してもらえないと明かし、周囲の手助けがない日本は冷たい社会だと感じたと述べました。
 岡本さんは、「ほっとスペース じいちゃんち」を子どもが2か月のころから利用。ただ、担当のケアマネージャーはこのような場を知らなかったと指摘し、「情報弱者が追いつめられる」と言及しました。
 最後に20歳代の結婚適齢期の男性として辻翔太さんが登場。子ども好きで結婚願望が強いながらも、自分たちの今後について厳しい現実があると分析し、子どもがいない現状で何ができるのかと考えていることを打ち明けました。現状の問題点として、理系の大学で古い体質に苦しむ女性研究者の姿について紹介。時間制限のない男性研究者が夜中まで研究する一方で、結婚・子育て中の女性研究者はそれだけの時間を費やすことができないため差が生じ、女性研究者が活躍できにくいと訴えました。こうした問題意識から、会社で、ワーク・ライフ・バランスの重要性について労務担当に説明するものの、なかなか聞いてもらえない現状であることを吐露。子ども・子育てに注目が集まる中、個人レベルで何ができるか探りたいと発言しました。

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 これから親になる若者世代の発言を受けて米田さんは、出産・育児がブラックボックスになって、若い人が関心を持ちにくい現状にあるのではないかと分析。出産後は仕事を辞めて、子育てが一段落したら復職したいとの希望が強いと総括しました。若者世代の意見を踏まえてフロアでは気づきを話し合ってもらいました。

【第2部】「子ども・子育て・ライフプラン緊急対策会議」

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 現状報告を受け、「子ども・子育て・ライフプラン緊急対策会議」と称して、ヘルスケア・プロバイダーや産前産後ケア担当者、社会企業家、国の子育て支援担当者などが対策を協議しました。
 まず、医療専門職であり、東京家政大学子ども学部長の岩田力さんが、子ども学部、子ども支援学科について説明。50年以上にわたり保育者を養成してきた同大学が、現在のこども分野で不十分な健康保育や特別支援教育に焦点を置いて人材養成を行おうとしていることを紹介しました。
 次に、大学生が共働き家庭に訪問して仕事と子育てを学ぶ「ワーク・ライフ・インターン」をあっせんしているスリール株式会社代表取締役の堀江敦子さんは、起業した動機について説明しました。中学生の時からベビーシッターをするなど子どもを保育することに抵抗がなかった堀江さん。就職後、ワーキングマザーでも長時間労働せざるを得ない職場に疑問を持つものの、社内で当事者として改善に乗り出す同志が得られなかったことを振り返りました。当事者意識が持てるよう若い人をいか巻き込むかを考えた結果、自分と同じ経験をすればよいのではないかと起業したことを紹介。インターンシップを経験した学生は、仕事だけではなく生活についても考えるようになり、これからの社会をどうするかという視野が広がっていることをメリットに挙げました。
 続いて妊娠期から育児期まで切れ目なく支える子育て世代包括ケアの実践、和光市版ネウボラで注目を浴びている和光市南子育て世代包括支援センターの榊原久美子さんが取り組みを紹介しました。まず、子育ては楽しいが辛いという現状は自身がだった20数年前から変わっていないと指摘。子どもを安心して産める社会であるか、子育てしやすい社会であるか、子どもの権利が守られる社会になっているかが課題ではないかと問題提起し、対処療法的な施策に終始するのではなく、母親と子どもの関係性の発達支援が重要だと訴えました。
 人口8万人の和光市では、毎年、1000冊の母子手帳を交付。窓口の対応は母子保健ケアマネージャーですが、高齢者も含めて支援している現状を紹介しました。ケアマネは、母親を地域で孤立させないよう、手帳を交付するときに様々な地域サービスについて情報提供し、悩むことはないと言葉かけしていると紹介しました。また、地域子育て支援拠点では少し先輩のローモデルを示すほか、両親学級ではリアルうんちによるおむつ替え体験など実践的なメニューを用意していることを紹介。子育てに負担感を感じる母親が多いだけに、一時預かりが重要であることを訴えました。
 次に、「生みどきが、働きどきというパラドックスをどう乗り切る?」という観点から、和光版ネウボラ誕生にも関わってきた東邦大学看護学部教授の福島富士子さんが発表。先進国のうち母親にやさしい国ランキングで日本は32位、労働参加率では65位以下というデータを挙げて問題視し、「日本が母親にやさしい国になるためには、ワーク・ライフ・バランスや妊娠期からの切れ目ない支援が重要だ」と訴えました。また、6歳未満児のいる家庭での夫の家事・育児負担時間の国際比較データも紹介し、海外は家事支援で男性が支えているのに対して日本では家事時間が極端に少ないことにも言及しました。さらに、「女性の卵子の数は生まれ出た瞬間から減ることは伝わっていない」と指摘し、35歳で不妊治療しても出産にたどりつくのは16%程度であるとのデータを紹介して、子どもを産むには時期があることを伝えるべきだと訴えました。出産適齢期と働く時期が重なるだけに、社内体制などを考慮し遠慮することなく「産んだもん勝ち」だと指摘。ネウボラの活動を通じて肝っ玉母さんをつくりたいと述べました。
 最後に内閣府子ども・子育て本部参事官の竹林経治さんが、子ども・子育て支援事業について説明。待機児童対策ではなく、総合的な子育て支援の仕組みとしてスタートしていること、0〜2歳の在宅子育て世帯への支援を強化していること、市町村の子ども・子育て支援事業計画の作成にあたっては、現場の事業者や当事者の意見を組み込んでいることなどを紹介しました。
 コーディネーターを務めたNPO法人ファザーリング・ジャパン代表理事でにっぽん子育て応援団団長の安藤哲也さんは、子育て世代の意識改革の重要性を指摘。自身も3人を子育てしている時期に仕事と子育ての両立が難しくなり、自分の生き方を変えようとファザーリング・ジャパンを設立したことなどを紹介しました。その上で、従来の子育てでは、父親にとって我が家はホームでなくアウェイではないかと言及。父親が育児にかかわることで、母親の育児ストレスが軽減され、家計収入も増えるといったメリットがあることを挙げました。ただ、個人の努力には限界があるだけに、「イクボス」と称して、企業の管理職の意識を変える活動をしていることにも触れました。
 現代の若者の状況に関して、堀江さんは、大学生の6割が専業主婦志向である点について、「社会が変わっているのに意識が変わっていないのではないか」と問題視、リアルな状況に接する機会が少なく自分の頭だけで考える傾向が強いことから、インターンを経験して自分の育った家庭以外を知ることが大事と述べました。安藤さんも、「専業主婦志向は男性がイクメンになるチャンスを減らす」とも付け加えました。
 また、榊原さんは、和光市では子育て支援分野と高齢者分野それぞれにケアマネージャーを配置していることを紹介。家族全員がウィンウィンの関係をもてるように考えていると述べました。その上で、今後は地域包括ケアシステムが必要ではないかと訴えました。

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 子育てしやすい社会とするための様々な取り組みについての報告をどう受け止めたか、若者世代が再び登場して発表。牧野さんは「働きたいし、子どももほしい。なんでもやったもん勝ちということであれば、助けてといえる自分になることがまずは第一歩ではないか」と述べました。また、岩崎さんは、女性の経済力も重要という点に気づいたと発言。橋本さんからは、社会から若い世代に対する具体的な提案がほしいと注文が出ました。岡本さんは、「子どもの将来を考えたら悲観するが、当事者が言わないと何に困っているか分からない」と声をあげる必要性を訴えました。辻さんは、育休をとるために今からしっかりと仕事のコントロールをしたいと話しました。
 若者らの感想を受けて安藤さんは、子育てをしてみて気づくことが多いことに言及。「見えない価値観の壁がある。多様な人の言葉に耳を傾けることが大事だ」と指摘し、当事者の声を政党や政府に届けていく旨を訴えました。

 2016年6月に施行された改正公職選挙法により、選挙権が18歳以上に引き下げられました。より若い人たちに、ぜひ一票を投じてもらいたいと考え、暮らしと国政とのつながりを実感することから、興味や関心が深まるのではないかと企画した今回のフォーラム。不安そうに語る若い人たちの表情の変化から、参加した100名のみなさんからは、大変興味深く、参考になったとの声が寄せられました。
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2016年06月20日

2016年参議院選挙に向けた政党アンケート結果発表。

6月22日に公示、7月10日が投票日となる参議院選挙。8政党に向けて子ども・子育て支援政策に関するアンケートを行いました。6月21日現在、6政党から回答をいただいています。
今回の設問は極めてシンプル。以下、アンケート調査票の内容ごとに回答をご紹介します。

2016年参議院選挙
子ども・子育て支援政策に関する政党アンケート結果


設問1.貴政党の子ども・子育て支援政策について教えてください。
・国では、少子高齢・人口減少に立ち向かう一億総活躍社会を創出するべく、「戦後最大の名目GDP600兆円」「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」の3つの目標を掲げ、これらの的に向けて放つ3本の矢のひとつとして「夢をつむぐ子育て支援」を掲げています。貴政党の子ども・子育て支援政策の優先度や本気度をお尋ねいたします。

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設問2-1.子ども・子育て支援政策の財源確保について教えてください。
・消費税率10%に引き上げで、子ども・子育て支援施策の量の拡充とともに質の向上にかかる財源も確保できるはずでした。「新しい判断」のもと、再び2年半の引き上げ延長が決まりました。にっぽん子育て応援団は子ども・子育て支援の財源をGDP比2〜3%への充実を目指して活動してきました。子ども・子育て新制度に必要と言われた1兆円の充実はその第一歩と考えていましたが、消費税率の引き上げで確保されるはずだった7,000億円ですら危うい状況です。いったいいつになったら1兆円確保されるのか、具体的にお聞かせください。

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設問2-2.子ども・子育て支援政策の財源確保について教えてください。
・子ども・子育て支援政策に必要な財源は、どのように確保すべきだとお考えですか? 以下の6項目のうち、貴政党のお考えに最も近いほうから3つ、順番に選んでください。
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子ども・子育て支援の財源についてみんなで考えるアンケート

お読みいただいているみなさんにもご質問を致します。
こちらから、ご覧ください。
http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=111984
☆アンケート結果
http://www.smaster.jp/Result.aspx?SheetID=111984


設問3. 「子ども・子育て支援新制度」の質の向上について教えてください。
・私たちは、担い手の処遇改善や専門性の向上などの質の向上なくしては、サービスが必要な人に行き届く量の拡充の実現も難しいと考えますし、新制度の円滑な推進の要として必要だと考えています。質の向上の必要性についてのお考えについて、財源も含めて、お尋ねします。

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☆どの政党も子ども・子育て支援施策は最優先課題であり、実現に向けた財源確保に尽力して行くと回答しています。特に今回は、子ども・子育て支援施策の財源確保の方法についてお訊ねしてみました。消費税率引き上げにより国民全体で負担を分かち合うという回答が自民党、公明党、おおさか維新の会から寄せられましたが、消費税率引き上げ延期となった今、説得力はありませんね。子ども・子育て支援新制度の推進に求められる財源の確保、さらに量の拡充と質の改善に必要な1兆円超の財源確保に向けて取り組んで行くと約束してくださいましたが、「いつになったら」への回答はありませんでした。また、子ども・子育て支援施策の課題=保育所待機児童問題という回答が多い中で、公明党だけが地域子育て支援の重要性と、保育士をはじめとする子ども・子育て支援の現場の担い手への処遇改善について言及していました。
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2016年02月07日

2015年度地域まるごと・プロジェクト 地域包括及び子育て世代包括ケア先進自治体調査報告会を開催しました。

 にっぽん子育て応援団は2月7日、公益財団法人さわやか福祉財団の助成を受けて取り組んでいる「地域包括及び子育て世代包括ケア先進自治体調査」の報告会を開きました。子育て支援関係者はもとより、行政担当者、地方議会議員、地域福祉に関心の高い市民活動団体関係者など、幅広い分野の205名の方々がご参加くださいました。参加者アンケートでは、行政、各種機関、企業、市民活動団体、市民など、地域ぐるみで家族をまるごと支えていく「地域まるごとケア」の取り組みを通した地域子ども・子育て支援の実現と可能性に、強い共感とともに、「地域まるごとケア」の考え方に多くの賛同が寄せられました。

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 まず、報告会に出席できなかった堀田力・さわやか福祉財団会長がビデオによりメッセージ。にっぽん子育て応援団の団長でもある堀田会長は、今回の報告会の趣旨について、日本各地で地域が一緒になり、子どもを含めた家族をまるごとを支えていく先進的な取組を紹介し、日本中にその仕組みを広めるための会であると説明。高齢者、障がい者の分野では地域でささえる仕組みを作っていこうという動きになっているだけに、子ども・子育て分なでもその流れを広め、報告会をきっかけに人々の支えあいの中で子どもが育ち、みんなが幸せに暮らす社会につながることへ期待を述べました。

 続いて、「地域まるごとみんなで支え合う コミュニティ構想」と題して樋口恵子団長が基調講演。休憩をはさんで、地域まるごとケア・プロジェクトの事務局でもあるにっぽん子育て応援団事務局から2015年度の調査報告を行なった後に、今年度ヒアリング調査を行なった8自治体の内北海道北見市、三重県名張市、島根県雲南市から、先進的な取り組みを行なう3名のパネリストと厚生労働省の担当者をコメンテーターにお迎えして、パネルディスカッション「子ども・子育ての課題も、地域の課題です」を行ない、閉会挨拶の後、終了しました。総合司会は、NPO法人せたがや子育てネット代表理事でにっぽん子育て応援団事務局の松田妙子が務めました。

【基調講演】「地域まるごとみんなで支え合う コミュニティ構想」
             にっぽん子育て応援団団長 樋口恵子


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 かつては人生50年と言われていたが、戦後の高度経済成時代に人生60年から65年となり、2012年政府が閣議決定した高齢社会政策大綱で「人生65年社会から90年社会へ」とのサブタイトルがつけられるほど。樋口団長はさらに、「人生100年社会の到来」と言ってよいのではないかと日本の人口構造の大変化という課題を強調されました。80歳以上が増える一方で、少子化が進み、今50代の男性の5人に1人、女性の9人に1人が独身であり、結婚を引きのばす社会に日本がなったことには、先輩世代が「結婚ってこんなに楽しいのよ」と家庭生活のすばらしさを見せてこなかったのではないかと反省。これは、第二次世界大戦で15年間もの長きにわたって戦時下体制で過ごし、男は戦士となり女は銃後の妻となるという役割分担をその後も続けてきたためではないかと分析されました。そのため地域に若い男性の影がなくなり、地域で老若男女が子育てをする風景も失われてしまったと。
 しかしながら樋口団長は、少子高齢化という大変な事態ではあるものの「ピンチはチャンス」と提起。日本は世界一の長寿国で、105歳の枕元に2歳の玄孫がいるなど一家に四世代五世代、一世紀の人間が共に生きるような多様性がある国はないと指摘されました。これは平和で豊かな社会でなければあり得ない風景で、生の肉声で戦争の痛手や平和の尊さを孫・玄孫世代に伝えることができるのではないかと祖父母世代の役割を強調されました。
 さらに、祖父母世代が経済的な豊かさを味わい、今日まで元気でいられるのは日本の社会保障の恩恵もあるとして、「食い逃げするのは高齢者の恥。当事者として高齢者の人生の究極の幸せためにも奮闘するが、と同時に次の世代が喜んで生まれてきてくれるような社会を冥途の土産として作っていきたい」と主張。童話「青い鳥」の一場面を紹介しながら、未来の国の子どもたちが生まれてくることに期待を持てるような社会をみなで作ろうと呼びかけました。
 その上で、地域には高齢者世代にもまだまだ活躍できる場があることを指摘しました。クリスチャンの賀川豊彦が、「子どもには「食べる権利」「眠る権利」「遊ぶ権利」「夫婦喧嘩をやめてもらう権利」「叱られる権利」がある」と語っていることを紹介。そこに「褒められる権利」も加えて、子どもはたくさんの人に見守られ、叱られつつ善悪を教えられるとともに、その子どもなりの存在を認められることが必要であり、それは地域の大人であればだれでもできる役割だと説きました。そうした地域の取組の事例として今回の報告が参考になるはずで、各地でこうした気運を盛り上げるよう呼びかけました。

【報告と提言】にっぽん子育て応援団事務局 當間紀子

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 にっぽん子育て応援団事務局で、地域まるごとケア・プロジェクトにかかわる當間紀子が、先進自治体調査について報告するとともに、調査に基づいて応援団からの問題提起を行ないました。
 「にっぽんをもっと子育てしやすい社会に」と訴えてきたにっぽん子育て応援団が、高齢者支援・介護保険行政にヒアリングを行ったのは、子ども・子育て支援も高齢者支援もともに地域の課題と認識した旨を報告。介護保険制度での地域包括ケアを参考に、子ども・子育て分野にこそ地域包括支援センターがほしいとの思いから調査にとりくむことになった経過を述べました。その頃、滋賀県東近江市で永源寺診療所長、花戸貴司さんと出会い、永源寺の地域の方々を巻き込み自宅で看取られる地域づくり「地域まるごとケア」をプロジェクトの名前にも借りることができた旨が紹介されました。
 初年度は、北海道北見市、岩手県大船渡市、東京都世田谷区、三重県名張市、滋賀県東近江市、島根県雲南市、香川県高松市、大分県臼杵市の8自治体を調査しました。中間支援NPOが核となって高齢者・介護、障がい者支援、ひとり親住宅、一時預かりを組み合わせた多機能強制型施設を展開している北見市。社会福祉協議会が子育て支援事業、利用者支援事業(基本型)とともに高齢者支援も担う大船渡市。地域保健福祉医療総合計画の中で地域包括ケアセンターをきめ細やかに配置し、高齢・介護とともに子育てや障害なども丸ごと支える体制構築を進めている世田谷区。高齢者対策のために充実させてきた地域支援体制を子ども・子育てにも広げ、市民総働″のネウボラ体制を構築してきた名張市。医療・福祉の先駆的な取組が市民レベルで進んでおり、地域のフラットな関係を“魅知普請曼荼羅”という形でまとめている東近江市。地域振興協議会が高齢者の困りごとや子ども・子育て支援、地域振興を地域の力で解決している雲南市。病児保育と子育て支援拠点を併設する小児科医院、高齢者のデイケアと子育て支援拠点、産褥入院を併設する助産院などの多機能共生型支援という先進的な取り組みが市民レベルで進んでいる高松市。ネウボラの構築や介護予防・生活支援事業に向けたまちづくり推進本部を庁内に設け、地域医療・介護情報連携システム「うすき石仏ネット」を構築した臼杵市と、それぞれの特徴が紹介されました。
 調査を終え、課題として挙がったのは、「地域福祉や地域包括ケアの視点に子ども・子育て支援が入っていない」ということだったと指摘されました。そこから、「赤ちゃんから高齢者まで生涯現役、全員参加の地域づくり」などを提言。先駆的に地域包括ケアに取り組む自治体でも、子ども・子育てに関する地域の理解はまだ不十分だと感じられたことあるとして、初年度の問題提起には「子ども・子育て家庭も同じ地域の一員であることを伝えたい」と訴えました。

【パネルディスカッション】「子ども・子育ての課題も、地域の課題です」

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 ヒアリング調査をした8自治体のうち、北海道北見市、三重県名張市、島根県雲南市の取り組みについて発表していただきました。コーディネーターはにっぽん子育て応援団企画委員の奥山千鶴子が務めました。


◎島根県雲南市海潮地区振興会会長 加本恂二さん

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 雲南市は、昨年2月に誕生した「小規模多機能自治推進フォーラム会議」の事務局。雲南市海潮地区振興会会長でもあり、同市子ども・子育て会議の委員も務めるの加本恂二さんが、「地域の子育ては地域でするという合意形成」と題して、その実践について報告されました。
 海潮地区は人口約1900人で高齢者率38%の地域。職場を松江市に持つ兼業農家が多いという地域柄です。海潮温泉やホタル、須賀神社、神楽などの観光資源が豊富なので、こうした資源を生かし、住みやすい地域づくりに長年活動して来られました。それが、公民館を中心とした地域自主組織です。その特徴の一つは、地区マネジャーという仕掛け人の配置。加本さんも地区マネージャーとして、海潮地区の地域おこしに取り組んでこられました。
 地域自主組織のモットーは、「地域の課題は自分たちで汗をかいて自分たちで取り組む」ということ。そのための財源も自分たちで確保。地区の500世帯から毎年1戸1000円ずつ拠出してもらった50万円を地域の課題解決に使ってきたそうです。「うしおっ子ランド」の取り組みもその一つの活動です。老朽化した幼稚園を建て直して幼保一体化施設とするべく国に要望を出したのですが、縦割り行政で最終的には実現しませんでした。そこで建て替える幼稚園の1部屋に子ども相談室を設けてもらい、これを活用して地区で子育て支援を行なうことにしました。午後2時で終わる幼稚園の降園後、夕方まで、あるいは夏休みなどの長期休業期間中は1日、保育所と同様に地域で一時預かりを行います。保育士の人件費に地区の拠出金を充てました。10年間この活動が続きましたが、今春、正式に認定こども園となったということです。
 また、4年前には、地区に放課後児童クラブがなかったため、農協跡地を借りて低学年児童を受け入れるようになったことも紹介されました。さらに、「うしおっこランド」の次には3歳未満を受け入れる保育が実施できないかと検討、若い母親たちが市長に陳情に行く際には振興会からも同行し、低年齢保育施設の設置要望は「地域の総意」である姿勢を示したそうです。このように若い人が定住し、安心して子育てができる「子育てのまち。雲南」、「子育てのまち。海潮」ということを全国に発信したいと主張されました。

 コーディネーターの奥山が、加本さんが強調されなかった小規模多機能自治について言及。住民で課題を出し合い、「次は放課後児童クラブだ」「乳幼児の保育だ」と、自分たちで協議し、財源も稼ぎ出して配分していく姿を特徴として整理しました。

◎三重県名張市健康福祉部健康支援室保健師 上田紀子さん

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 同市で母子保健業務を担当する保健師、上田紀子さんが、名張版ネウボラの取組について説明されました。名張市は人口8万人弱、年間出生数600という自治体。平成25年から子育て支援に力を入れ始め、妊娠期からの切れ目ない支援を「名張版ネウボラ」と名付け、「生み育てやすいまち・なばり」を実現する仕組みづくりを進めているということです。
 ただ、ネウボラと称するものの、フィンランドの仕組みとは異なり、地域の人材を活用している点を特徴に挙げられました。名張市は、大阪のベッドタウンとして発展し、他市の倍近いスピードで高齢化が進展。自治体が財政的に厳しいことは住民も自覚しており、地域の人々と課題を共有しながら、健康づくり、介護予防、子育て支援に取り組んでいるそうです。その点について上田さんは、「名張の一番の自慢は、主体的なまちづくり」と強調されました。住民の活動拠点である公民館や市民センターを指定管理で運営してもらい、そこに福祉の窓口として「まちの保健室」を開設しているそうです。当初、高齢者の相談窓口でしたが、子ども・子育て家庭にも活用し、ネウボラの中に位置付けられました。名張版ネウボラでは、健やかな育児を支援しつつ、その支援を地域のシニア世代が担うことで、シニア世代の健康づくりや生きがい、介護予防につながっていることが特徴だと説明されました。全体の支援の仕組みを図にして高齢者支援に携わる方とも情報共有するなど、課題や統計データも地域と共有しているそうです。そのため「地域包括ケアは子育ても同じだね」と気付いていただけたそうです。地域が積極的に動く中、行政の役割としては、地域で課題と認識しつつも対応できないことについて何が困難な点なのかをともに考えていくことだと主張。新年度からはネウボラも含んだ総合的な支援システムをスタートさせる予定であることを明らかにされました。
 核となる「まちの保健室」は、地域包括支援センターのブランチ(支店)という位置づけで、さらに子育て世代包括支援センターのサテライトという役割も担っている重要な拠点。子ども分野の支援の専門職が少ない中、高齢者の相談員を行っていた介護福祉士、社会福祉士、看護師らが研修を受けたチャイルドパートナーとして「まちの保健室」で母親らに対応していることも付け加えられました。
 また、地域の力について上田さんは、地域づくりの中心的な方々に地域の子育て家庭の問題を知ってもらうことが行政の役割ではないかと、ワールドカフェ方式で課題を出し合う会議などを開催したことも紹介。住民から行政への問題提起が行なわれたり、行政との認識の共有が図られたようです。たくさんの会議を通して、地域の方々が顔の見える関係となっており、こうした住民の活動を背景に、「地域福祉総合ケアシステム」が機能するよう住民の力をサポートしていきたいと話されました。

◎NPO法人北見NPOサポートセンター理事長 谷井貞夫さん

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 同市における多機能共生型コーディネートについて、NPO法人北見NPOサポートセンターの谷井貞夫さんが説明されました。この事業は、厚生労働省の地域介護福祉空間交付金事業の市町村提案型事業というもの。平成20年ごろから始まったこの補助事業を使えないかと考えたのは、人口減少に危機感を抱き役所に相談にいったところ、役所では人口増加を前提とした事業計画しか作れないという現状を知ったからだと説明されました。そこから「民間でできることは先行してやっていこう」と話し合い、14〜15年前から高齢化社会や人口減少社会に備えた活動を展開する中で、厚労省の交付金を活用することになったそうです。
 この補助事業は、地域で高齢者支援、障がい者支援、子育て支援などを組み合わせた共生型の事業を市町村が提案した厚労省が審査をするもの。それぞれ専門に活動しているNPO法人を中核にして様々な事業を組み合わせた提案が採用され、北見市では8か所の共生型施設が誕生したことが紹介されました。
 共生型施設の特徴は、建物の建築費は公的な補助を使うものの、運営費については行政的な支援がないこと。介護保険事業や障がい者支援事業、自主事業を組み合わせて運営されているそうです。また、できるだけ自主事業だけで運営できるよう、様々に工夫。北海道庁や市町村の各分野、大学、地元企業、町内会ともネットワークを組んでいることが紹介されました。「これからの企業はコミュニティ・ビジネスの視点がないと生き残りは大変だ」と提案したところ、地元中小企業団体の経営委員長を任されているそうです。
 子育て分野の活動としては、夕陽ヶ丘オレンジスタジオという団体を紹介。1時間500円で一時託児を受け入れる一方、母親向けに運動やパソコン、就労支援セミナーなどを開催しています。高齢者と子どもとの接点を増やそうと、食育講座のアシスタントを高齢者に依頼しているそうです。また、高齢者施設を運営するNPO法人が運営する「地域共生ホームかえで」という共生型施設には、近隣の小中学生が放課後集う共生ルームに駄菓子屋が併設されています。活動自体は赤字ですが、地域にとって必要な場であり、高齢者が子どもたちと日常的に触れ合えることで住み心地がよくなると運営されているそうです。
 今後の課題として、高齢者も多様化してきているため、それぞれに対応したサービスを提供するにはコストと負担の観点から利用者負担で提供できる範囲に限界が生じてしまう点を挙げられました。また、生産年齢人口が減少している中で、ボランティアの確保も難しいそうです。
 人口密度の低い広域エリアで活動しているので、何事も非効率。だからこそ、スクールバスに高齢者だけではなく用事のある人はだれでも乗車を認めるなどの発想が必要なことにも言及されました。
 その上で谷井さんは、危機感や意欲を持つ人はどのまちにもいるはずと指摘。そうした人たちの活躍の場をつくるよう、行政は自分たちで全部やるのではなく、地域にあるすべての資源を活用する姿勢が求められるのではないかと問題提起されました。

◎3市の取組についての講評など
  厚生労働省労健局介護保険計画課長 竹林悟史さん

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 厚生労働省・介護保険計画課長で、その前職では子ども・子育て分野に携わっていた竹林悟史さんが、国の取り組みについて説明。住み慣れた地域で最期まで自分らしく暮らしていけるよう、2025年には地域包括ケアシステムを構築していこうと進めていることを紹介されました。
 また、かつて家族や地域社会が担ってきた福祉ニーズを、高齢者は高齢者福祉、障がい者は障がい者福祉、子育て家庭は児童家庭福祉といったように分野に応じて振り分け、高齢者特別養護施設のように特化したサービスを提供してきたのがこれまでの福祉制度であったと整理。現在は、地域でその人らしく、支援が必要になっても支えあって生活できるように変わりつつあり、子育ての世界でも幼稚園と保育園だけではなく子育てひろばをはじめとした地域で支える仕組みが求められていると説明しました。高齢者も障がい者も子ども・子育て家庭にとっても地域は一つで、対象者別の制度をどのように横につなぐかが国の課題にとなっていると説きました。
 その上で、介護分野での新しい考えを植木鉢に例えて紹介。住まいを植木鉢、生活支援サービスを土に見立て、そこが充実した上で医療・介護の葉が開くといったイメージを描いています。そのためにも地域社会において、自助・互助・共助・公助をバランスよく作っていく必要があると指摘。社会保障制度の大半は共助だが、地域で支えあう互助の部分も大事になっていると言及されました。
 さらに、3市の取り組みが対象者別の福祉ではなく、地域の方々が様々な役割を持ち、一つのコミュニティーが作られている点を重要だと指摘しました。それぞれの自治体が国の制度をうまく活用している点も評価。国がそれを邪魔しないよう支援することが大事であり、その点を今後考えたいと結びました。

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 一方、コーディネーターの奥山は、3市の取り組みについて、今、目の前に困っている子育て家庭をどうすればよいか、高齢者を抱える家庭にどう支援できるかを考える人がいて活動してきた成果ではないかと整理。そのための仕組みを行政とともに考えて地域に合うように活用されたと評価しました。その上で、「行政がやってくれない」「制度がない」ということではなく、どうすれば自分たちでうまくできるのかと考え行動できる人がいると地域はずいぶん変わるのではないかと提起。地域まるごとケア・プロジェクトの今後として、「全国でもっと多様な取組を行っている地域を発掘し、それを横展開できる資料を用意したい」と抱負を述べました。

【閉会挨拶】 にっぽん子育て応援団企画委員 柳澤正義

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 にっぽん子育て応援団企画委員の柳澤正義が挨拶。3市のユニークで特徴的な取組を参考に、各地域でも子ども・子育て支援と高齢者支援を一体化していく取組を進めてもらいたいと期待を寄せました。

☆当日配布した資料に掲載できなかった厚生労働省労健局介護保険計画課長の竹林悟史さんのパワーポイント資料を、竹林さんのご厚意でアップしました。
こちらからご覧ください。
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2015年08月20日

2015年度企業・団体サポーター交流会を開催

 にっぽん子育て応援団は7月2日、東京・日比谷の第一生命保険株式会社日比谷本社新館6階ABC会議室において、「企業・団体サポーター交流会」を開きました。にっぽん子育て応援団にご支援いただいているサポーター企業、団体の方々との交流をはかるべく、毎年開催しているものです。今回は、「ダイバーシティ・マネジメント」をテーマに基調講演やパネルディスカッションを行いました。

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◎開会によせて
 会場を提供くださった第一生命保険株式会社執行役員、山本辰三郎さんが挨拶。女性社員が多いことから男女ともに働きやすい制度を整備しているほか、ご自身の経験を踏まえ、仲間がお互いを尊重する風土が大切であることをお話されました。

◎国の制度の説明

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 続いて、厚生労働省雇用均等・児童家庭局職業家庭両立課の蒔苗浩司課長が、最新の両立支援の取り組みについて説明しました
男性の育児休業取得率は、直近の平成26年度で2.30%と右肩上がりとなっていますが、2020年には13%にするという政府目標には及ばないとして、啓発に一層力を入れる必要があると指摘。男性の家事・育児の参加率が高い方が女性の継続就業につながりやすく第2子以降の出生率にも影響を与えていること、昨年4月の雇用保険法の改正で育児休業給付の給付率が引き上げられ、実質的には手取りの8割程度が保障されるようになり、男性の育児休業取得者が増加していることなどが紹介されました。
 また、平成22年からイクメンプロジェクトをスタートさせましたが、上司の理解がないと育児休業等も取得できないと昨年度からはイクボスプロジェクトを推進。実践を表彰し、好事例を情報発信するなどして、地方にも広げていこうとしていることが紹介されました。
 さらに、次世代育成支援対策推進法を改正し、一段と高い取り組みを行っている企業に対しては「プラチナくるみん」を使えるようにし、授乳コーナーなどの資産に対する割増償却制度も3年間の期間延長されていること、くるみんマークの認知度が低いため自治体のゆるキャラとコラボしていることなども取り上げられました。
 最後に、現在行われている育児・介護休業法のさらなる見直しでは、介護休業を分割取得など、家族の介護を抱える人に利用しやすい制度に向けた検討を行っていることにも触れました。

◎基調講演

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 にっぽん子育て応援団の共同団長である安藤哲也・ファザーリングジャパン代表理事が、「ダイバーシティ・マネジメントができる上司が社会を変える」と題して、イクボスの重要性について説きました。
 まず、自分自身が10年間、子どもを保育所に送り迎えする中で育児と仕事の両立の難しさを実感、働き方を見直したことを紹介しました。そうした経験があるからこそ、部下にも両立する上でのノウハウを伝授するなどマネジメントができたことを強調。時間に制約がある社員をいかに活用するかなど、人材活用のマネジメントを日本の管理職は基本的に学んできていない点に問題があることが指摘されました。
 そこから、男性が働き方を見直し、積極的に育児に参加するというイクメンが増えると社会が活性化し、個人のメンタルヘルスも改善されるので会社の生産性が上がるとともに国全体としては女性の就業率が上がると訴えました。男性の長時間労働や休暇が取得しにくいという構造的な日本の働き方の問題は、一方で過労死など不健康な働き方を生み出し、男性が家事や育児参加できない事態をもたらしていることにも言及。男性が家事や育児に参加することは、女性のキャリアアップにつながり世帯としての収入が増加するだけではなく、子どもの精神的な成長にもメリットがあり、地域の友人も増えるほか、仕事にも有効な能力が身につくことになるのではないかと説きました。
 こうした働き方の見直しのためには、業務を見える化するなど、柔軟性のある組織となることが重要だと指摘。これからは子育て中の女性だけではなく、高齢者や外国人、がん治療中の人など制約のある社員が増えると考える必要があると提起し、それだけに従来型の働き方の認識を改める必要があると訴えました。また、周囲に知られないように介護に時間を割く社員も少なくないとして、そうしたプライベートも打ち明けられるような信頼感を築くことが重要であり、個々人のモチベーションが下がらない工夫が大事なことを訴えました。イクボスはプライベートも楽しむ人であることを強調。イクボスを増やすためには繰り返しの研修だけではなく、管理職の評価を変えることも必要だと説きました。

◎パネルディスカッション
 「ダイバーシティ・マネジメントの現場から」と題して、第一生命保険株式会社の取り組みやイクメン・パパの実践談といった具体例を素材に今後の課題などについて意見交換しました。

 第一生命保険株式会社人事部の鮎沢慎一次長が、同社のワークライフバランスの取り組みについて説明。両立支援施策の充実として、産前産後休暇の有給化や短時間勤務/残業免除、育児時間の取得など子どもの成長に伴った休暇などを整備する一方、ワークスタイルの変革として、総労働時間の縮減とともに、育児休業の取得の勧奨、子どもが主役デー(職場参観日)を実施して育児参画意識の向上を図るなどしてきたことを報告しました。今後の課題としては、男性の育休取得者をさらに増やすことを挙げました。

 また、同社株式部の安部健一郎次長は、就学前の子ども2人を抱える共働き家庭の生活ぶりについて報告しました。午前4時半ごろに起床し、幼稚園児の長女のために週の半分はお弁当作り。登園後、7時半ごろ出勤し、19時頃退社。洗濯や掃除なども平等に分担していることを紹介しました。2人目妊娠時の奥さんのつわりがひどかったために家事を担当するようになり、そこから家事に対する意識・スキルもアップ。奥さんに仕事を理解してもらい、前倒しで仕事を進めるよう気を付けていると言及しました。難しい点として、子どもの病気でも預けざるを得ない時など子どもや周囲に「申し訳なく思う」ことや、家事・育児・仕事の間でバランスを取ることが難しく、すべてに満足を得ることができない点を挙げました。その上で、女性が活躍の場を広げることは不可欠であり、いろいろな選択肢があることが豊かで楽しい社会になるのではないかと話しました。

 にっぽん子育て応援団企画委員の岩田喜美枝・21世紀職業財団会長は、安部さんの発言がかつてのワーキングマザーと同じ悩みだと指摘。会社に対しては時間当たりの生産性で貢献しているので申し訳なく思う必要はなく、子どもにも愛情は注がれているのではないかとアドバイスしました。

 にっぽん子育て応援団団長の勝間和代さんは、残業の縮減について、労働生産性を上げることに尽きると断言。アメリカでは長時間労働をさせた管理職が辞めさせられるなど、ダイバーシティを重視しないと会社がつぶれるという危機感があることを挙げました。それに対して、これまでの日本ではそこまでしなくても会社はつぶれないという意識があったと指摘し、第一生命保険が長時間労働を変えようとしていると評価。労働時間の削減を進めるのがイクメンだと呼びかけました。

 同じく企画委員で10年前に経済産業省で初めて育児休業を取得した山田正人さんは、入省して15年後に育休を取得しましたが、当時は無制限に働く環境だったと振り返りました。育児休業期間中は、物事が同時多発的に対応せざるを得ないが、仕事は予定調和の世界なので効率的な働き方ができるようになると説きました。最近では、育児休業明けなど時間制約のある部下が送られてくるようになったため、どうやってアウトプットを高めるかを考えると個々人の内発的動機に火をつけるしかないことに気付いたと報告しました。

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 勝間さんは、こうしたマネジメントに対してスキル投資をするという意識がない点を問題に挙げ、やる気の引き出し方など既に知られている手法を体系的に教えることで生産性が上がる可能性がある点を指摘しました。

 岩田さんも、今後は女性も仕事を継続してキャリアアップすることが当たり前になるので、家事などを夫婦でシェアする意識を持つことが必要だと強調。いつまでも会社にいられるわけではなく、トータルの人生でどれだけ幸せになるかを考えるべきではないかと問題提起し、男性の幸せのためにも働き方の常識を変える必要があると説きました。

 安藤さんは、パネリストらの発言を受け、今、世の中を変えるチャンスであり、変わらないと幸せにならない、子どもたちが未来に希望を持てる社会を一緒に作ることがすべての大人の責任ではないかと締めくくりました。
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2015年07月07日

にっぽん子育て応援団結成6周年記念フォーラム開催報告記

にっぽん子育て応援団結成6周年記念フォーラム
「発進!子ども・子育て支援新時代」
開催報告記


 にっぽん子育て応援団は5月30日、「発進!子ども・子育て支援新時代」をテーマに、結成6周年記念フォーラムを東京家政大学板橋キャンパスの三木ホールで開催しました。
 開会挨拶では、東京家政大学女性未来研究所所長でもある樋口恵子団長が、子ども・子育て支援新制度が4月にスタートできたのは、地域で子育て支援活動を展開してきた活動家たちのおかげだと感謝の意を示しました。ただ、最近、少子化対策として出生率の目標を立てようとする動きがあることには懸念。生まれてきたことそのものをありがたく思える環境を作るために、これから市民たちで作戦会議を始めようと呼びかけ、フォーラムが始まりました。

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【第1部】自治体首長対談
「発進!子ども・子育て支援新時代」

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 応援団企画委員の奥山千鶴子さん(子育てひろば全国連絡協議会理事等)のコーディネートにより、前新宿区長の中山弘子さんとにっぽん子育て応援団の企画委員でもある三鷹市長の清原慶子さんが対談。両区市で子ども・子育て支援施策をどのように進めてきたのかその経過を振り返りつつ、問題提起しました。
 この中で中山さんは、次世代育成支援計画の総合ビジョンを策定する際、「子育ては母親だけがやるものではないし、それだけでは子どもが育たない」と考え、子育てを応援する人とサービスが豊富なまちをポイントに置いたことを紹介。さらに職員とも議論し、結婚や出産は個々が決めることであり、子どもを持ちたい人が持てる社会を作ることが大事だということで、「子育てを実現しやすいまち」を計画の目標に据えたことをも報告されました。実際、「新宿は子育てしやすいまちだと思うか」という質問に対する答えは、小学生の保護者で倍増、就学前児童の保護者では3割以上増えていたことを挙げ、結果として出生数が増えたと振り返りました。
 また、待機児童対策については、男女とも働かなくては暮らしてゆけない社会になり、子どもがきちんと育つためには保育所が大事だと積極的に進めてきた旨を報告しました。同時に、保護者の就労に関係なく発達に必要な施設が必要だとして、新宿型の子ども園を整備、区立幼稚園の子ども園化を進めたことを紹介しました。現在、再び待機児童が増えていることに対しては、「子どもが就学前の世帯でも共働き率が高くなっているので、行政の施策が追い付いていっていない面があるのではないか」と投げかけました。
 さらに、新宿区は区民の1割が外国人という特色があることから、多様さへの対応も考慮。「多様さを受け入れ力にしないと社会は発展しない」と考え、すべての子育て家庭をサポートしてきたことを紹介しました。在宅子育て家庭の支援のためにひろばや一時預かり事業を実施するほか、地域の子育て情報の提供などにも取り組み、子育て支援団体が集まる見本市、新宿子育てメッセの開催、子ども総合センターの創設などを挙げました。こうした取り組みでは、「地域の人々集まり、顔が見えることで情報共有し、共感することが大事だ」と振り返りました。
 清原さんは、バランスの良い子育て支援を目指してきたと話されました。同市の公立保育所で最初に0歳児保育を実施したほか、株式会社への民間移管も最初に実施し、公立幼稚園の跡地の活用、保育ガイドラインの作成、子育て支援NPOを活用した在宅子育て支援の活動などを展開してきたことを紹介しました。
 農地が宅地化した成果も大きいものの、こうした取り組みの成果として人口が平成15年の16万8000人から18万人増加したと報告しました。
 待機児童対策については、平成27年も209人発生するなど増加傾向になることを紹介。就任以降、約1500人分保育所定員数を増加しているものの、潜在ニーズが顕在化しており、待機は減っていません。そこには、暮らし方や女性の働き方、家族の在り方が影響しているとの認識を示しました。
 その背景の一つとして、出生率の動向にも注目。就任時の合計特殊出生率は0.95で、「安心して子どもを1人以上産めないというのは地域として望ましくない」と考え、親子ひろば事業を充実させてきたと振り返りました。就学前児童のうち在宅子育て世帯は3分の1に上っており、待機児童解消だけではなく、在宅子育て世帯への支援も大事だと、保育園の地域開放やひろば事業などを充実させてきたと報告。一定の出生率の向上が見られたとして、「総合的な子育て支援のきめ細やかな取り組みが大事だ」と訴えました。きめ細やかな取り組みの一つとして、民生委員児童委員による「こんにちは赤ちゃん事業」や、高齢者支援も含めた地域ケアネットワークの整備なども挙げました。
 お二人の発言に対して奥山さんは、「子育て支援に特効薬はないということですね」と相槌。清原さんの質問からこども園も話題に上りました。
 中山さんは新宿区のケースについて紹介。「同じ発達段階にある子どもは親の就業状況に関係なく必要な保育・教育が受けられる。お互いに知り合い、一緒になることが大事。一番変わらないといけないのは大人。やってみてわかる」と積極的に推進し、保護者の説明会も区長自ら乗り出すこともあったと振り返りました。
 清原さんは、公立幼稚園の全廃を前市長から引き継ぎ、跡地活用で3園のうち1園をこども園としたことを紹介しました。ただ、施設の老朽建替え後、公設民営園に変更しようとしたところ、保護者から保育士が全部交代し保育の継続性がなくなると反対の声が出され、市の持つ社会福祉法人、社会福祉事業団に運営を委託し、事業団を通して元の保育士を派遣する形を取って理解を求めたことを報告した。「利用者の不安や問題意識を大事にする点は共通点がある」と振り返りました。
 保育所の公私の問題について中山さんは、「公立がよい、私立はだめという神話があるが、今は公私ともに公共性を持つことが必要ではないか」と指摘。新宿区の公立保育士らは大学の教科書を作るほどの力を持っているが、他の施設でどんなことをしているのかを知ることも大事と、研修はこども園と一緒に行っていることを紹介しました。
 清原さんは、保育の質という点で、平成15年度にガイドラインを作成し、現場指導担当の課長職を設けたことを報告しました。公私立保育園でガイドラインを踏まえた研修を実施。担当課長は、「公立保育園はすばらしいと誇りがあったが、民間保育園で学ぶこともあった。自分自身で気づかないうちに視野が狭くなっていたかもしれない」と話したことを紹介し、公私の垣根がなくなってきたことを報告しました。
 これらを受けて中山さんは、雇用の問題を始めて社会が大きく変わる中で、子どもをどう健全に育てるかが大事ではないかと主張しました。
 清原さんも、新制度により地域の実情に応じた子育て支援の在り方を市町村が主体的に考え、社会総ぐるみで子育て支援をする時代になったと主張。高齢者も含めた地域包括の考えた方重要だと訴えました。

【勝手に表彰】

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 今回は、「すくすくジャパン!素敵な子ども・子育て支援スローガン」大賞と称して、新潟県長岡市教育委員会子育て支援部子ども家庭課、奈良県奈良市子ども未来部子ども政策課、福井県福井市福祉保健部子育て支援室、沖縄県石垣市福祉部子ども家庭課を表彰しました。プレゼンターは勝間和代団長が務め、表彰自治体を代表して、長岡市教育委員会子育て支援部部長の若月和浩さん(写真下)と、奈良市子ども未来部子ども政策課係長の宮嵜徹さん(写真上)に、表彰状をお渡ししました。

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【第2部】パネルディスカッション
「子どもが輝く社会に向けて 未来を語ろう!」

 地域子育て支援元年「子どもが輝く社会に向けて 未来を語ろう!」と題して、子どもに関係する各分野の関係者によるパネルディスカッションを行いました。ファシリーテーターは、NPO法人せたがや子育てネットの松田妙子さん。
 乳幼児親子への支援を行っている東京家政大学ヒューマンライフ支援センターの佐々木總子さんは、「乳幼児からの子どもの育ちとそこに必要なこと」について意見発表。「子どもは自ら育ちたい力を持っている。しかし、一人で育つことはできない。信頼関係に基づいた人とのかかわりが必要で、一番身近な父母の毎日が充実していることが大切」と、乳幼児の育ちに一番必要なことは、最も身近にいる母親父親が毎日充実していることと説きました。それだけに、同大学の「森のサロン」では、親がリラックスできる場にするとともに、ひろばに関わる学生たちの先生役になることで自分も社会に役立っているとの有用性を確認することができるよう配慮している様子を話しました。その上で、乳幼児の子育てという点では、ゆっくりと丁寧にかかわることが健康な体と整理的リズムの育ちにつながると指摘。多くの大人による多様な経験や、子ども同士のトラブルによって思いやりや社会性が育つと説きました。
 また、子どもの豊かな遊びを支援しているTOKYO PLAY代表の嶋村仁志さんは、「子どもが遊べるまちをつくろう!」をテーマに発表。子どもに遊び場地図を作ってもらったところ、街中のいたるところに面白さを見つけていたことを紹介し、子どもは自分で面白い遊びを見つけられる存在だが、禁止事項ばかりの環境や人間関係、経験の乏しさなどから遊びが失われていると問題提起しました。また、東京都の事業委託を受けて、子ども300人にグループヒアリングをしたところ、大人から話を聞いたもらった経験が少なく、どうせ何を言っても変わらないと思っていることが明らかになったことをも紹介。子どもと大人の距離が離れている点への危機感も示しました。そこから、道路を遊び場として開放する海外の事例などを挙げ、身近な遊び場を取り戻す必要性を訴えました。
 長野県で森のようちえんを運営するNPO法人響育の山里くじら雲代表の依田敬子さんは、「自然とともにのびのび育てる──森のようちえん」と題して、古い養蚕農家の空き家を活用した野外保育の現状を報告しました。例えば冬の日は、山の麓に集合し拠点までの2キロ程度を上って朝の集会を行い、土間の薪ストーブを炊いてお弁当を食べ、焚き付けを拾いながら歩きまわるような毎日を過ごしています。野外保育の良さを分かってもらうため、その効果について松本大学と共同研究。卒園児などの体格・体力や自己肯定感などのデータを取ってみると、1日5時間8000歩程度を歩く子どもたちは、骨密度や筋肉量などが平均の倍以上で、自己肯定感についても同年齢を上回るといった結果が出たことを紹介しました。長野県も野外保育に注目し、県独自の自然保育認定制度ができたことを報告。依田さんは、「すべての子どもに豊かな自然体験や生活体験が必要ではないか」と、スローライフと同様にスローエデュケーションの重要性を問題提起しました。
 東京都清瀬市を中心にファミリー・サポート・センター事業などを展開するNPO法人子育てネットワーク・ピッコロ理事長の小俣みどりさんは、「妊娠期からの切れ目のない支援 産前・産後ケア」をテーマに発表。自分の親が倒れ支援が受けられないのに子どもの一人が水疱瘡にかかり、父親も仕事を休めないと泣きつかれて24時間対応の訪問型一時預かり事業を実施、「いつでも行ける居場所がほしい」とのママの声に応えてひろば事業を始めるなど、支援を求める人ニーズに対応して事業が広がってきたことを報告しました。また、ひろばの利用を通して、20歳代の若いママの支援の活動が生まれたり、中学生のジュニアサポーター養成講座を通して中学生が母親の大変さとともに子どもを持つ楽しさを知るなど、一つの活動が参加者をつなげ、広げていることも紹介しました。10年活動して、子どもが泣くことに不安を持つ新生児の母親が増えていると感じられたことから、研修を受けた先輩ママが母親の悩みに寄り添うホームスタート活動を実施し、母親の心が軽くなっている実例も紹介しました。生まれる時から親にまるまで、求める人の手元に届ける支援が必要だと訴えました。

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 参加者からは、パネラーの発言を参考に産前・産後ケアに取り組みたいといった意見も出されました。
 一方、パネラーの発表を踏まえて、樋口団長は、介護保険での取り組みを参考に子ども・子育て支援新制度を充実さえるために何が必要なのかについて発言。介護保険制度では、40歳以上が保険料を負担するなど当事者意識を持たせ、利用する際は1割の利用料としてお値打ち感を出すなど、見える化したことが大きいとポイントをまとめました。そこから、新制度ができたことで社会がどれだけよくなったかをPRしなくてはいけないと主張。例えば昨今、ベビーカーや父親の育児参加に対する認識が変わってきたように、子育てに対する意識も変わる可能性があることを挙げました。さらに、これからの人生は長くなるので、「ワーク・ライフ・ケアの三位一体で、血縁のない人でも支え合う。子育て世代も含め世代を超えて支え合う社会を作らないと日本の未来はないのではないか」と主張し、いろんな人たちの知恵を集めようと訴えました。

 この後、安藤哲也団長と勝間和代団長とで緊急アピールを読み上げ、満場の拍手により採択されました。緊急アピール「発進!子ども・子育て新時代─子どもが輝く社会のために─」のアピール全文は次の通りです。

「発進!子ども・子育て新時代─子どもが輝く社会のために─」のアピール
平成27年5月30日
にっぽん子育て応援団

 子ども・子育て支援新制度が本格的にスタートしました。にっぽん子育て応援団は、新制度のさらなる充実、地域の実情に沿った市町村独自事業のよりいっそうの充実などを通じて、社会全体で子育てする機運の醸成を求めていきます。目指しているのは「子どもを真ん中において、子どもの成長にとって不可欠な、家族、子ども同士の関わり、地域や社会の多くの人との関わり、それぞれが大切な役割を果たせるよう支援する社会の実現」です。

「にっぽん子育て応援団の考える目標」
 すべての子どもたちが、家族の愛情に育まれ、
 また、子ども同士の積極的な関わり合いの中で、
 そして、地域や社会の多くのおとなたちの慈しみの中で、
 心豊かに成長できる環境を保障すること
(2012 年5 月「真の社会保障・税一体改革を通じた子ども・子育て支援の充実を」アピールより)

「目標実現のためのにっぽん子育て応援団のアピール」

1. 子どもと家族を支える質的環境向上のためにさらなる財源を求めます
消費税増税が1 年半伸びたことで、予定されていた子ども子育て支援新制度の量的拡充と質的改善が立ち遅れることのないよう、平成28 年度の予算の確保を求めます。にっぽん子育て応援団では、すべての子どもと子育て家庭に行き届く支援の実現を訴えてきましたが、そのためには、近年深刻さを増している子どもの貧困やひとり親家庭の困窮に対する、きめ細やかな支援の実現が急務です。すべての子どもと子育て家庭に発達と参加が保障される、真に子育てしやすい社会の実現に向けて、保育の問題にとどまらず、学習支援、経済自立支援、生活全般への支援といった地域の支援、地域子育て支援のために必要な財源の確保を求めます。

2. 着実な市町村子ども・子育て支援事業計画の推進を求めます
新制度のもと、市町村で策定した事業計画が始まっています。5 年後を射程に入れて事業必要量を見込み、市町村の実情に沿うよう策定されていますが、ともすれば制度づくりに手間や時間がとられ、質の議論が抜け落ちているとも指摘されています。着実な事業計画の推進には、常に点検・評価を怠らず、必要に応じて見直し、事業に手直しを加えていくことが重要です。
事業の点検・評価・見直しでも地方版子ども・子育て会議を活用し、単なる数字合わせの推進ではなく、実情の伴った推進がなされることを求めます。

3. 当事者の声が反映されるしくみを実現させましょう
私たちも行動します。子どもや子育て世代の声にならない声を伝え、限られた財源を効果的に活用できるよう、運営にも参画し責任を分かち合います。既に多くの仲間が地方版子ども・子育て会議の委員公募に手を挙げ、参画しています。地域においては、子育ての今日的な課題を地域で暮らす人々と共有、地域ぐるみの子ども・子育てを支える仕組みをつくるべく、市民版子ども・子育て会議ともいうべき場づくりや、足りない地域資源の掘り起こしや立ち上げも担います。子どもを真ん中にした地域づくり、まちづくりを、子育て家族とともに考え、実践していきます。ともに手を携えて「もっと子育てしやすい社会」を実現しましょう。

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