平成23年12月26日(月)9:30− 内閣府において開催
子ども・子育て新システム検討会議作業グループ・基本制度ワーキングチームの第18回会合が開催されました。
にっぽん子育て応援団企画委員の奥山千鶴子・NPO法人子育てひろば全国連絡協議会理事長の解説つきレポートでお伝えします。
議事次第と配布資料動画年内取りまとめということでしたが、結局年明け1月にも2回ほどWTは開催されることになりました。第18回基本ワーキングチームの話し合いの様子をお伝えします。
◆国の所管および組織体制について 子ども・子育て新システムを所管する一元的な組織体制を基盤として、基本制度案要綱及び中間とりまとめを踏まえ、
省庁再編の際には、子ども家庭省(仮称)の実現をめざすという文言が入りました。当面、内閣府幼保一体化推進統括室(仮称)が窓口となる予定ですが、将来的には子ども家庭省(仮称)をめざすという点については歓迎する委員が多いものの、実現性の点に関して以下のような意見が出されました。
・省庁再編というのがいつになるのか、また担当する守備範囲が分かりにくい。
・子ども家庭省(仮称)の中身についての検討がこれまであまりされてこなかった。
・行革との関係で省庁を増やすということには、十分な説明が必要となる。
・子ども家庭省(仮称)が必要だから省庁再編を!というぐらい積極的に推進すべき
・子ども家庭省(仮称)は、国民に覚悟を示すメッセージになると考えられる。
子ども家庭省(仮称)の文言は入ったものの実現に向けては相当ハードルが高そうなイメージを持ちました。内閣府幼保一体化推進統括室(仮称)どこまで権限を行使できるのかが不透明ではありますが、専任大臣ができれば推進に弾みがつくことは間違いないですね。◆こども園給付(仮称)、市町村事業と私学助成の関係 前回積み残しの私学助成について基本的な考え方が提示されました。学校教育・保育にかかる財政措置は、子ども・子育て新システム(こども園給付・市町村事業)の給付・事業を基本とする。
@幼稚園運営の基本部分(一般補助)については、就園奨励費とともにこども園給付に統合。A預かり保育、子育て支援については、その内容を見直しつつ新システムの市町村事業(一時預かり、地域子育て支援拠点)に位置付ける。新システムで対応できないものとしては、特別支援教育や、幼児教育・小学校教育との連携事業のうち質の高い特色ある取り組みなどが考えられるが、こちらについては、学校法人、社会福祉法人含め総合施設については同じ機関補助として私学助成を残す。
これまで、私学助成とこども園給付どちらももらうような幼稚園ができれば、財源の一元化とはほど遠くなる、市町村が把握しにくくなるなどの意見が出ていましたが、少なくともこども園給付に位置付けられる施設については、私学助成は入れずこども園給付に基本は一元化され、就労支援ではない預かり保育や地域子育て支援に関しては、市町村事業に位置づけるという整理です。
*私学助成は、国→県→幼稚園というお金の流れで、これまでも市町村が把握できなかったという背景があります。主な委員の意見は以下の通りです。【基本部分について】・例外的にこども園給付の指定を受けない幼稚園(すべて私学助成で実施)が残るのはどうか。市町村が実施主体として責任をもつという考え方なのに、こども園給付の指定を受けない幼稚園があるというのは扱いにくいのではないか。
・こども園給付の指定を受けない幼稚園(すべて私学助成で実施)については、移行のための期間を設定して例外的扱いは短期的にすべきではないか。
・財源については、原則新システムの範囲内で完結できるようにすべきである。
・すべて一体化ではなく多様性のある教育・保育の施設が容認されるべき。
こども園給付の指定を受けない幼稚園(すべて私学助成で実施)については今後も議論が続きそうです。こども園給付の指定をうける施設へ将来的には収れんするような道筋が必要、例外は限定的にという意見と、多様性を認める体系作りが必要だという意見が出ています。う〜ん この議論は今すぐここで決めるというのはかなり難しいかもしれません。利用者が結果としては決めていくのか???【特別支援教育について】・特別支援教育については、新システムにきちんと位置付けられることが重要であり、排除されないような配慮が必要。
・特別支援教育だけなぜ私学助成でないといけないのか?
→ 現状、特別支援教育については私立幼稚園だけが私学助成となっており、公立幼稚園、私立保育所、公立保育所は一般財源化しているという問題とリンクしておりさらに検討が必要(事務局より)
実際には、この特別支援教育についてのみ私学助成が残る、それは総合施設であれば法人格にかかわらず同じように私学助成で手当てするというものです。法人格にかかわらずというところは評価されるのですが、なぜ特別支援教育だけが新システムで対応できないのかは、前述の一般財源化との関係がありさらに検討が必要ですね〜。【預かり保育、地域子育て支援事業について】・市町村事業に位置付けられそうな預かり保育事業については、就労にかかわるものは総合施設に誘導していく。就労にかかわらない預かり保育は、市町村事業の一時預かりという案だが、現状幼稚園の預かり保育はほぼ幼稚園児が対象であり、すべての子育て家庭を対象とした一時預かり事業とは異なるため整理が必要。
→ 現状、就労目的の預かり保育対象者は、全預かり保育対象者の1割弱程度(事務局より)。
・幼稚園の子育て支援は、月に1〜2回の親子遊びであったり、土日に施設開放するなど、園の実情や地域の状況などに対応して行われており、常設型ですべての子育て家庭を対象とした地域子育て支援拠点事業とは異なり、市町村事業にどう位置付けるのか疑問。
・認定こども園についても子育て支援は必須機能となっている。ところが子育て支援は市町村事業がゆえに、実はやらないという場合も。総合施設の認定が都道府県政令市となり、一時預かり、子育て支援が市町村事業だと整合性がとれずに実施が進まない可能性があるのではないか。
今回、急に市町村事業への位置付案が浮上! でも、幼稚園の子育て支援はすべての子育て家庭に対して実施している一時預かりや地域子育て支援拠点事業とは異なるんだよね。それでなくても普及が進まず、どうにかしなくてはならない一時預かり事業、週3日以上、一日5時間以上の実施を義務づけている地域子育て支援拠点事業との整合性が問われます。◆総合施設(仮称)の認可基準・子ども・子育て新システムに関連する認可基準については、参酌すべき基準としてほしい(全国知事会)
・国の最低基準をすべて地方の参酌にすべきだというのは反対。国としてきっちり総合施設(仮称)にふさわしい基準を考えるべき。
・恣意的ではない一定のナショナルミニマムの基準にのっとって、しっかりとした質の確保、量的確保の権限が市町村に与えられることが大事。
◆子育て支援コーディネーター・在宅で子育てしている層について、中学校区域の地域子育て支援拠点事業等がしっかり対応できるよう人材育成が必要
・子ども・子育て家庭を包括的に支援する専門性ということと同時に、今、子育てがうまくいかないとか、子どもに課題を抱えているといった家庭に寄り添うという視点のある当事者を生かした支援、両方兼ね備えた専門性が必要になってきている。
・子育て支援の従事者には、幼児教育や保育の専門性とは別の地域子育て支援の専門性が求められている。質の高い学校教育、保育の一体的提供を目指すのと同じように、質の高い地域の子育て支援のための人材育成や身分保障等も一緒にお願いしたい。
幼保一体化で総合施設など3歳以上の子どもについての議論が多いのですが、今回の子ども・子育て新システムはすべての子どもたちが対象だったはず。産前産後から等しくすべての子育て家庭を包括的に支援する子育て支援には、もっと支援と財源、人材投入が必要なはずです。さらに、何人かの委員が指摘したように、質の高い学校教育、保育の一体的提供を目指すのと同じように、質の高い地域の子育て支援のための人材育成や身分保障が必要です。◆ワーク・ライフ・バランス・次世代法が時限立法である以上、期限をもって効果を検証し、継続するかどうかは検討すべき。介護やダイバーシティという考え方も広がり、次世代法から新システムに持ち込むことについては危惧がある。
・長時間労働や短時間勤務の導入についても、まだまだ十分ではないということを考えると、きちんとワーク・ライフ・バランスを新システムにおいても位置づけていくことが重要である。先行してこれまでの検証もしていくべき。
ワーク・ライフ・バランス抜きに新システムが検討されるということはないように思います。子育て世帯にとっての働きかたと子育てのバランスはたいへん重要で、教育・保育の施設側だけが充実すればいいというものではないですから。次回は少し論点整理の資料が提出される予定です。